小原ブラスの「今年の漢字」が「災」「選」「高」じゃなく「断」の意外な理由
2024年も残りわずか。紅白歌合戦の出演者が決まり、年末ジャンボ宝くじの販売が始まり、毎年恒例の「今年の漢字」が12月12日に発表されると、いよいよ年末が押し迫る。 今年は石川・能登半島地震で始まり、8月には宮崎県・日向灘を震源とする地震で「南海トラフ地震臨時情報」が発表されたことなどから、「災」が選ばれるだろうという下馬評や、自民党の裏金問題が世を騒がせたことで「裏」ではないかという予想がある。また、都知事選、総裁選、衆院選、アメリカ大統領選などの注目選挙が重なったことで、「選」を推す声もある。 中でも、特に支持を集めているのが、「高」という漢字だそうだ。ここ数年、食料品などの値上げが続いているが、今年の異次元とも言える物価上昇は、価格に敏感な主婦層でなくとも悲鳴をあげたのではないだろうか。 「賃上げ33年ぶりの高水準!」「初任給5万円超増額!」とメディアでは報じられ、政府も「賃上げ、賃上げ」と声高に叫ぶけれど、物価の上昇する勢いに対して、賃金のほうはいつまでたっても追いつかない実感がある。NetflixやiCloudのサブスク料金の値上げのお知らせを見ながら、「来月は何が値上げするのだろう」と辟易した。 食事を減らしたり、クーラーの使用を控えたりするなど、「生活が苦しい」という声も多い。ただ、僕にとっては、苦しい状況にこそ人生を好転させる変化が多かったように思う。物価が上昇しても給与は増えていない。でも、貯蓄や投資に回すお金が今年は格段に増えたのだ。 というのも、今年は政府の言うところの「資産所得倍増元年」。貯蓄から投資への後押しとして新NISAが始まった。今まで投資に興味のなかった僕も、今年初めて手をつけた1人だ。 初心者ながらも投資してみると、お金が増減しながら、少しずつ増えていくのが楽しい。「もっと幅を広めたい!」「もっと投資したい!」という意欲が湧いてくる。そして、ふと「そろそろちゃんと資産形成をしなければ!」と思い立ち、30代前半にしてようやく火がついたのだ。 ありがたいことに、物価上昇に文句を言いながらも対応できるくらいには給料を頂いているし、多少の貯金もできている。だけど、投資の元手や老後の安心材料としては全然足りないし、今後も物価上昇だけが続くようならいつまで対応できるか分からない。 物価上昇に給料が追いつかないのであれば、支出を見直すのみ! そんなわけで、2024年の僕にとっての「今年の漢字」は「断」だ。 家計簿をつけてみると、物価上昇にただ嘆いていたことが馬鹿らしくなるほど、無駄な支出が多かった自分に引いた。最近はやりのミニマリストのような極端なことはしないが、あれもこれもよく考えたら要らない。 辰年だけに、あらゆるものを「断つ」年となった。そして心底、断ち切って良かったと思っている。そこで今回は、今年「やめて良かったもの」をまとめたい。