小原ブラスの「今年の漢字」が「災」「選」「高」じゃなく「断」の意外な理由
2024年に「やめて良かった」八つの無駄
【お酒】 10年以上ほぼ1日も欠かさず飲み続けたお酒。飲んでいる時だけが幸せとすら思っていたし、やめられるわけがないと思っていたが、断酒系YouTuberの動画を見て、アルコールの害を自分に言い聞かせて断酒に取り組んでいたら、あっさりと飲まなくなった。 断酒3日目までは眠れず、眠れたとしても大量の寝汗をかくなどの禁断症状に悩まされたが、それを乗り越えたことで自己肯定感が爆上げ。カレンダーに「今日も飲まなかった」マークをつけるのが快感になった。アルコールは脳内にドーパミンと呼ばれる快楽物質を出すが、これは本来、何かを成し遂げた時などに出る。それがアルコールを摂取するだけで出すことができるのだから、その分普段の生活で得られにくくなる。 それこそがアルコール依存症とうつ病の併発率が高い一因だと言われる。つまり、お酒を飲めば飲むほど「お酒を飲んでいる時だけが幸せに感じられる」という感覚になるのは当然のことなのだ。断酒をすることで、その快楽がお酒を飲まない普段の生活で得られ、今まで見つけられなかった小さな幸せを、たくさん感じられるようになるのだ。 お酒を飲んでいた頃は、にわかに信じられなかったが、お酒をやめても幸福感の総量は本当に変わらない。外食をしてもお酒を飲まなければびっくりするくらい価格が抑えられる。お酒代そのものの負担がなくなるだけでなく、酔った勢いで2軒目3軒目へとはしごして思わぬ出費をする心配もない。 お酒を飲まないからディナーよりもランチに出かける頻度が増え、同じような食事コースを手頃な価格で楽しめるのもうれしい。 厚生労働省の2019年の調査によると、飲酒習慣(週に3日以上、1日1合以上の飲酒)のある20代は7.8%、30代で17.2%。体感的には、お金を持っている人よりも、お金のない人の方が飲んでいる印象がある。飲酒習慣は、貧しさや時代遅れの象徴みたいなものなのだ。 【ブランド服】 ブランド服のデザインが好きなら良いが、多くの人が払っている多額のお金はそのステータス性への対価だろう。自分が若かった頃はブランド服を着ている人を見ると、素直に「お金稼いでいるんだ。すごい」と思っていたけれど、この年齢になれば服を見なくても、年齢や会話、雰囲気である程度その人の年収が予想できるようになる。 すると収入に見合わないブランド服を着ていることで、「なんだかお金を大事にしてなさそう」とか、「資産なさそう」とすら思うようになってきた。たとえ、実際は高収入だとしても、「収入に見合わない」と思われた時点でアウト。一方で資産を持っている人でも服にお金をかけない人はたくさんいるので、ブランド服を着ていないからといって「貧乏なんだろうな」とは思わない。 そうなると、ブランド服にステータス性なんて本来はないのだと思う。収入がどんなに多くても散財する人は貧乏だし、収入が低くても資産を持っている人は金持ちだととらえると目が覚めた気になる。(こんなことを言うとブランド品を資産として持っていると言う人もいるが、買ったブランド物を適切に資産として管理できている人なんて滅多にいないだろう) 【コンビニ】 自宅からコンビニまでは徒歩で5分、スーパーまでは同じく10分。コンビニはスーパーと比べると、多くの商品で約30%高いと言われている。スーパーでは閉店前に半額シールが貼られ、さらにお得に! 言わずもがなだが、歩いてあと5分の距離なのに。 【サプリメント】 ビタミンCにカルシウム、ビタミンDに乳酸菌、さらにマルチビタミンも! 「一度手を染めると、不調になることが怖くてやめられない」と指摘される。日常にあって当たり前になったが、僕はサプリメントをやめて思う。「多分効果はなかった」と。 日本医師会や国民生活センターには、サプリメントを摂取したことによる健康被害の報告が後を絶たないそうだ。「デトックス(老廃物などを排出すること)、デトックス」としきりに言いながら、サプリメントを多量に摂取するなんて体に良いわけがないのだ。サプリメントをやめて、スーパーフードと言われるチアシードを1日大さじ1杯だけ取るようになってからの方が体調はすこぶる良い。 【誕生日】 誕生日のお祝いにプレゼントをもらうのはうれしいが、してもらったからには、相手にお返しをしなければならない。誕生日のお祝いが増えるほど、自分の出費も増えるのだ。だからといって、相手の厚意をお断りするわけにもいかないので、「もうすぐ誕生日やねん」などと周囲にアピールをしたり、SNSで必要以上に誕生日をにおわせたりするのをやめることにした。 職場でのプレゼント交換文化も「お金の無駄になるからやめよう」と呼びかけ、「おめでとう」と言葉だけのお祝いが非常に心地良い。世の中にはプレゼントや手土産について「人付き合いだから、お金以上の価値がある」と言う人もいるが、個人的には疑問だ。お土産程度のものなら、もらった時はうれしいがすぐに忘れるだろう。値の張る贈り物でも、いつまでも覚えているだろうか。贈答文化を素晴らしいと思ったからといって、お付き合いを広げようなんて考えないだろう。 【カップコーヒー】 カップコーヒーを片手に仕事をすることがオシャレだと思っていた時期がある。コーヒーは必需品だが、よく考えたらかなりのチリツモだ。オシャレなカフェなら1杯500円くらいする。毎日飲めば、タバコを1日1箱消費する人と同じくらいの負担になる。コンビニのカップコーヒーでも1杯200円として、月に4000~5000円ほど。それなりの費用がかかる割にホットはすぐに冷め、アイスコーヒーは紙ストローが不快だし、ストローがないタイプはストレス。 だったら、自宅のコーヒーメーカーで作ったコーヒーを保温タンブラーで持ち歩いた方がよっぽど経済的だ。なんといっても熱々で味も良い。海外では空前のタンブラーブームなので、最先端も気取れる。 【ウォーターサーバーやペットボトルの飲料水】 最近は災害時の備蓄も兼ねて一般家庭向けのウォーターサーバーが普及し、家にあると素敵な生活空間になりそうだと僕も3年ほど使ったが、あれは要らない。電気代やレンタル代がかかることを抜きにしても、水代が高すぎるし、サーバーの中を掃除できないためタンクが不衛生。「中のタンクが洗えなくて不衛生な気がするんですけど」と問い合わせると「水が循環しているので大丈夫」という回答だったが、そんなわけがないだろうということで解約した。 ペットボトルの水が通販だと2リットル9本で1000円ほどなので、しばらくはそれを購入していた。ところが、9本なんて1週間程度で消費するので月に3回は注文しなければならず、宅配のお兄さんが重そうに運ぶのも見ていられなくなった。 日本の水道水はペットボトルの飲料水よりも厳しい基準が設けられていて安全。ペットボトル水より安全で安いのだから、日本に住んでいて水道水を使わない理由はない。とはいえ塩素や水道管のサビなどが気になるので、3000円程度のポット型浄水器を導入した。浄水用のカートリッジは1日に5リットルを浄水しても月にかかるコストは1000円以下。しかも使い終わったカートリッジは、乾かして冷蔵庫に入れておけば消臭剤として再利用できる。なぜ今まで使ってなかったのか後悔しかない。 【パックご飯】 「令和の米騒動」と騒ぎになった米不足。新米が出回るようになっても、値段は一向に下がる様子はない。一人暮らしだと米を炊くのも面倒なので、パックご飯を欠かさずに常備していた。5食入りで500円だったが、値上げで700円になった。800円で売られているのを見かけ、「僕はもう米を食べないと決めてから口にしていない!」と言いたいところだが、米のうまさには敵わない。 米が値上げした今、割高なパックご飯を買うのはぜいたくだと思い、炊飯器を稼働させるようになった。米に関しては、今こそふるさと納税を活用するべきではないだろうか。普段食べない肉や魚の返礼品もいいが、長期保存できるお米がやはり最強だろう。