アウトドアで「もんじゃ焼き」ってマジかっ? やってみたら目から鱗のそのお味やいかに
野外でバーベキューをする場合、火を起こして、網に肉を載せて、こんがり焼いたら食べる。とくに工夫を凝らさず、たったこれだけのことでも十分に楽しかろう。野外にはそれだけの魔力がある。 【写真】アウトドアでもんじゃ焼きをつくる手順とその仕上がりを見る(全13枚) だけど……どうせなら変化球を投げたほうが楽しさは増すはず。じゃあ、肉を焼く以外のことって、何がありますかね? イカとか焼いちゃう? ホタテなんかも載せたりして? ……というように、編集部で事前のアイデア出し会議をやったときに出てきたのが「アイス+焼肉のたれ」だったり「炒飯づくり」だったりしたわけですが、編集のM嬢が唐突に提案してきたのが「もんじゃ焼き」だった。
あっ、もんじゃ。いいですね!
ぼくは東京・墨田区の下町育ち。町内にはお好み焼き屋が普通にあって、友達どうしで出掛けていくのはいつものこと。でも、お好み焼きは食べない。というか、お好み焼きは高いので、少ない小遣いではなかなか手が出せない。そこで重宝するのがもんじゃ焼きなのです。
原始時代のもんじゃ焼きで育った中学時代
いま月島のもんじゃストリートで食べられる高級もんじゃ焼きと違って、昭和40年代のもんじゃ焼きは、お好み焼き用の粉を薄~く薄~くのばした汁に、これまたお好み焼き用のキャベツの捨てるところ(芯に近い部分)を刻んだものが入ってるだけでした。天かすも紅生姜も入ってない。明太子も切りイカも入ってない。ましてやカマンベールチーズなんて入ってるわけがない。 放課後に中学の仲間と向島のお好み焼き屋に行き、みんなで鉄板を囲む。そこにブチまけられるのは、実にシンプルな原始時代のもんじゃ焼き。だけど、それがこのうえないご馳走だったんですね。ぼくは熱々の料理が大好物なので、鉄板からダイレクトに食べるもんじゃ焼きは、熱さという点でも満足度が高い。 アイデア出しの会議で「野外でのもんじゃ焼き、ぜひやりましょう!」と、即座に賛同しました。日常の食生活にもんじゃ焼きが普通に組み込まれているぼくは、それ以上深く考えることなく、後のことは編集のM嬢にお任せしました。それが、やがて恐ろしい結果につながるとは考えもせず……。