お医者さんごっこに「AEDを」 〝AEDおもちゃ〟を開発した理由 人の命を救う「かっこいい機械」
お医者さんごっこのように、小さな頃から「AED」で遊んでいたら、もっと身近に感じてもらえるかも――。そんな思いから、子ども向けの「AEDおもちゃ」を作った会社があります。もともとはAEDのペーパークラフトを無料配布していた会社の社長に、開発の経緯を聞きました。(withnews編集部・水野梓) 【画像】AEDのおもちゃ「トイこころ」はこちら
「身近に感じる年齢層をぐっと下げたい」
「『学ぶ』よりも、小さな頃から当たり前のように遊んで知ってほしい」――。 そんな思いで、AED(自動体外式除細動器)のおもちゃ「トイこころ」を開発したのは、北海道北見市の「坂野電機工業所」です。 代表取締役の坂野恭介さんは「AEDを身近に感じる年齢層をぐっと下げて、存在を知っていてもらったら、街で見かけたときに『あっ』と気づいたり、救命講習を身近に感じたりするのではないかと思いました。その一助になりたいと、おもちゃのかたちを追求しました」と語ります。
ペーパークラフト制作 無料でダウンロードOK
以前は臨床工学技士として働いていた坂野さんは、祖父の会社である「坂野電機工業所」を継ぐために戻ったときに、会社でAEDの販売・リースの事業を始めました。 「人の命を助ける医療機器ってすごい、とずっと思ってきました。会社を継いだ後も、それが生かせないかと思っていました」と振り返ります。 AED事業だけでなく、「大切だと分かっていながらも、なかなか学ぶ機会のないAEDについて、楽しみながら学ぶ機会をつくりたい」と、2021年から「AEDのペーパークラフト」を無料でダウンロード(https://sakano-denki.com/aed-contents.html)できるようにしました。 日本でAEDのシェアナンバーワンの日本光電に監修してもらい、ペーパークラフト作家に依頼して、制作しました。 「プロの『ここにはこだわりがある』というところも含めて、ペーパークラフトとしては難易度は高いものでしたが、防災イベントなどで配布物として活用してくれる例もあって、役立ててもらってうれしかったです」と坂野さん。 子どもの防災イベントなどでも利用例が増えたため、ニーズに応じて「簡単バージョン」も作成し、ペーパークラフトのバリエーションは4種類になりました。