お医者さんごっこに「AEDを」 〝AEDおもちゃ〟を開発した理由 人の命を救う「かっこいい機械」
ペーパークラフト、数千のダウンロード
ペーパークラフトは、何度かSNSでバズり、これまで数千のダウンロードがありました。 無料で配布しているため、会社に収入があるわけではありませんが、坂野さんは「もちろん費用はかかっていますが、AEDの認知活動として『これがいい!』と思ってしまったのでしょうがないです」と笑います。 学校関係者などダウンロードした人から「子どもたちに知るきっかけを作ることができました」といったうれしい感想も届いているそうです。 AEDに興味はなかったものの、クラフトが好きな人から「作ってみたら、AEDのつくりについて深く知ることができました」といった声も寄せられました。
心肺蘇生講習への「架け橋」のような存在に
坂野さんは「トイこころ」で遊ぶことについて、おもちゃの振動や音・ライトが楽しいという「入り口」から、いつか心肺蘇生の講習の受講につなげていきたい――と夢見ています。 「実際に人を助けるとなった時には、AEDだけではなく心臓マッサージのやり方・人工呼吸のやり方を知っておくこともとても大事です。トイこころが全国各地で実施されている心肺蘇生講習に参加したいという、きっかけになる架け橋的な存在になればと思っています」と語ります。 また、AEDのおもちゃは世界的にも類似商品がないそうで、「医療関係者からは『買って診療室などに飾りたいです』という声ももらいました」と話します。 ペーパークラフトに加えて、おもちゃの開発まで。坂野さんは「人の命を救えて、かつ一般の人も使えるなんて、AEDは見た目も立ち位置もかっこいいなぁと思うんです。そもそもAED自体が好きで、そうじゃないとここまでできません」と笑います。 「ふだんからAEDという言葉を見聞きしていたら、街中でも自然と目に入ってくるようになると思います。自分の好きな機械を、もっと多くの人に知ってもらいたいと思っています」