五輪3連覇を目指したブラジル、南米予選敗退で組織の大改革へ
ケガ人が相次ぎ不安定な戦いに
ラモンが試合後の会見でも語ったとおり、大会中の負傷も響いた。スタメンだったCB1人、SB1人、ボランチ1人と、守備の要が相次いで大会を離脱することになり、立て直しを迫られた。最終リーグでは1試合1失点ずつと、スコアとしては大きく崩れたわけではないが、安定と呼べる状態ではなく、拮抗した戦いではその1失点が大きく響いた。 攻撃では、今年半ばにRマドリーへ行くことが決まっているエンドリッキ(パルメイラス)や、昨年のコパ・リベルタドーレス決勝で決勝ゴールを決めたジョン・ケネジ(フルミネンセ)を始め、FW勢が大会を通じ、ゴールにアシストにと才能を発揮した。しかし守備の不安定さが影響し、中盤がスムーズに機能しない場面もある中で、序盤の絶好調ぶりを維持するのは難しかった。 大会中、エンドリッキがメディアに苦言を呈したことがある。DF2人が負傷離脱した直後の1次リーグ第4節ベネズエラ戦の後だ。この試合では、すでに最終リーグ進出が決まっていたことから、累積警告の危険のある選手を温存したり、まだ機会の少なかった選手にプレーのチャンスを与えたりと、選手を大きく入れ替えて臨んだ。しかし、これまで格下と見られていた相手に敗れてしまった。エンドリッキは言った。 「あなたたち(メディア)はブラジルが本命だと言っていたけど、すべてのチームに五輪出場枠を獲得し、優勝するための同等の力がある。この敗戦は、僕らにとっても、そしてあなたたちにとっても一つの教訓になった。どのチームも決して軽視してはいけない、というね」 メディアの反発を招きそうな言葉だが、攻撃の主力として戦い続ける中で、ゴールやアシストが決まった時は称賛される個人技が、チームが苦戦や敗戦をした時はエゴだと批判される。そうした苛立ちもあったように見える。 一方、ジョン・ケネジは悔やんでいた。 「悲しい。でも、僕に言わせれば、それ以上に屈辱だ。ブラジル代表ほどのチームが五輪に出られないなんてことがあってはいけない。勝ちたいという気持ち、もっとゴールを決めるんだ、この重要な試合を決めるんだという気持ちが、僕らには少し足りなかったのかもしれない」