冷える日はとくに要注意…じつは「使い捨てカイロ」よりも「足湯と湯たんぽ」が効果的といえる、納得の理由
「使い捨てカイロ」が腫瘍を大きくする可能性も
また、これからはあまりの寒さから、外出先などで、使い捨てカイロを使う人も多いのではないでしょうか。適宜使用するには、とてもすぐれたものだと思います。 しかし、臓活の観点から見ますと、臓に対するアプローチはイマイチという側面もあります。人工物である使い捨てカイロには気が通っていませんから、あくまで局所的な処置。 からだを、芯からあたためることはできないのです。あるいは、なんらかの腫瘍などをもっている方の場合、一部分だけを必要以上にあたためることで、さらに腫瘍を大きくする可能性も。 つまり、化学的なものを用いる際は、何かしらのリスクを伴うケースもあるのです。冬場に気をつけておきたいものとして、ほかにも電気毛布があります。 布団が一気にあたたまるので、重宝されている人もいらっしゃるかもしれませんが、長時間の使用はからだを乾燥させてしまう恐れがありますので、布団に入るまでの使用をおすすめします。 したがって、たとえば冷えの改善においても、先ほどご紹介した足湯をはじめ、できるだけ自然の力を使うことが、臓活においては好ましいと言えるのです。 足湯が面倒であれば、湯たんぽを使うのもいいでしょう。日中であれば、日の当たる窓に背中を向けて日向ぼっこもおすすめ。太陽の力で、からだが芯からあたたまります。
内臓の機能を弱める「冷え」は絶対に放置しない
また、たとえ真夏でも、わたしは氷を入れた冷たい飲み物を飲みません。これは、朝食にスムージーなどをおすすめしない理由と同じで、内臓を冷やしてしまう恐れがあるためです。 実際に、施術においても、本人の自覚はなくとも、からだを触るとかなり冷えている、というケースは多く見られます。 もちろん体質にもよりますが、かなりの確率で、ストレスや乱れた生活習慣などにより、現代人は冷えているということを、認識してほしいのです。 「冷え」は免疫を低下させ、内臓の機能を弱めてしまう、とても恐ろしい症状です。慢性的な症状だからと、見過ごすのはやめましょう。したがって、臓活において大切なのは、からだの「冷え」を感じたら、そのまま放置しない、ということ。 すでにご紹介した通り、白湯を飲む、湯たんぽを使う、自然の太陽光を浴びてからだをあたためる、などができれば良いのですが、素早く対処するという点においては、前述した市販のカイロを使うのも良いでしょう。 その際、腰のうしろ側、尾てい骨の上あたりにある「仙骨」のあたり、あるいは、おへその真裏にある「命門」というツボのあたりを意識して、あたためてみてください。また、足の裏に貼るカイロなどを使って、「湧泉」というツボのあたりをあたためるのもおすすめです。 その上で、自宅に帰ったら、入浴や足湯などで、もう一度、しっかりからだを芯からあたためるよう、心がけましょう。 五臓のバランスをととのえ、からだ中に気を巡らせる――。「冷え」への適切な対処など、まいにちの小さな心がけや習慣の積み重ねこそが、健康面で不安定になりがちな時代を生き抜くための術となると言っても、過言ではありません。 …つづく<健康コスパの高い「白湯はからだに良いから」が意外な落とし穴に…逆にダメージになる「やって損する」3つの行為>では、健康効率があがる白湯の上手な取り入れ方をお伝えしています。
尹 生花(中医学博士)