COP28 で浮き彫りになった、ファッション界の「持続可能性3.0」とエネルギーへの投資
持続可能性と過剰生産の問題
ファッションブランドを含む他のCOPのディスカッションでは、持続可能性と過剰生産の問題についてさらなる会話を促進すべく、マーケティングチームによる一般向けの情報開示の必要性が議論の中心となった。 「COPでのマーケティングに関する会話は洞察に満ちていた」とフェローズ氏は言う。「ファッションに非常に関係がある。ファッションは地球上で最大のマーケティングエンジンであるだけでなく、最大のマーケティング費用もそこに費やされている。莫大な予算がマーケティングに使われる。(今後は)CMOが(チーフサステナビリティオフィサー、CSOとともに)もっと大きな協議プロセスを開始するようになり、そこで互いに学び合うことが不可欠となる。現時点では、CMOはCSOがどんな仕事をしているかをほとんど知らないため、両者がどのように機能しているかを理解する必要がある」。 COPでは、ファッションレボリューション(Fashion Revolution)が非営利団体のオアファンデーション(The Or Foundation)の「#SpeakVolumes」キャンペーンを推進している。このキャンペーンは、無駄を最小限に抑えるための取り組みとして、ブランドに対して年間の生産量を開示するよう求めるものだ。これまでに、コリーナ・ストラーダ(Collina Strada)など30のブランドが、ストップ・ウェイスト・コロニアリズム(Stop Waste Colonialism)のウェブサイトで生産量を公表している。 「COPは、急進的ですでに賛同している人々に向けてアピールするためのものではない」と、オアファンデーションのパートナーシップマネージャー、ネーシャ=アン・ロングドン氏は言う。「COPは、世界の経済と世界の人々を持続可能で循環的な未来へと導くために、すべての社会とセクターにおいて、より広範な文化的変革と思考の転換を促すものだ。ほかの産業と比較してファッションは、石油やガスのようなリスクの高いセクターと同じレベルの精査やESG規制の対象にはなっていない」。 [原文:Fashion Briefing: At COP28, fashion leaders are discussing ‘sustainability 3.0’ and investments in energy] ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)
編集部