パワハラでクビになった名門ラグビー部元監督が海外で見た、選手と指導者の対等な関係性
日本では、選手たちは指導者にいわれたことに対して「はい、はい」とうなずいてばかりいる。だが、向こうでは選手が必ず自分の意を述べる。 「Yes」だけではけっして終わらない。 文化の違いも大きいが、相手の年齢にかかわらず、会話が対等なのだ。 また日本のように、選手がコーチや監督の顔色を窺いながら練習をすることがない。1人ひとりが自分のやるべきことに集中し、練習に没頭している姿が印象的だった。 選手が主体的、自発的に練習に取り組んでいるのだ。 だから「やらされ感」がなく、2時間なら2時間、文字通り死に物狂いになってオールアウト、つまり全力を尽くす。 やらされ感がないから、練習をサボろうとする選手もいない。長時間ダラダラと練習することがなく、オンとオフの切り替えが、じつにうまい。 加えて、チームになあなあの雰囲気がなく、選手同士がお互いに競争意識をもちながら練習をしている。 日本のチームでは、よい意味でも悪い意味でもお互いが「仲良く」ふるまっている。それが悪い方向に出てしまい、同調圧力が高まったときに、いじめが生じるのではないかと私は思った。
松井英幸