今冬は厳しい寒さか 冬にかけてラニーニャ現象時の特徴に エルニーニョ監視速報
西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況
【西太平洋熱帯域】 9月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値より高い値でした。今後、冬にかけて基準値より高い値か基準値に近い値で推移すると予測されます。 【インド洋熱帯域】 9月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値より高い値でした。今後、冬にかけて基準値に近い値か基準値より低い値で推移すると予測されます。
今冬の寒さ・雪の予想
ラニーニャ現象が発生すると、日本付近では冬の西高東低の気圧配置が強まって、気温が低くなり、大雪になる傾向があります。気象庁の寒候期予報(9月24日発表)によると、今シーズン冬の降雪量は、北日本から西日本にかけての日本海側の地域で「平年並みか多い」予想です。強い寒気が流れ込むタイミングで、短時間のうちに大雪になるなどして交通障害が発生することも考えられます。 また、平均気温は「ほぼ平年並み」の予想ですが、西日本と東日本では平年より低くなることもあるでしょう。冬らしい寒さとなり、厚手のコートやダウンコートなどが活躍する日が多くなりそうです。
ラニーニャ現象とは?
「ラニーニャ現象」が発生するのは、太平洋赤道域です。このあたりは貿易風と呼ばれる東風が吹いているため、通常、暖かい海水は西側のインドネシア付近に吹き寄せられる一方、東側の南米沖では、海の深い所から冷たい海水がわき上がっています。 ただ、何らかの原因で東風が強まると、西側の暖かい海水が厚く蓄積するとともに、東側にわき上がる冷たい海水の勢いが強まり、南米沖の海面水温が通常より低くなります。このように、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて、海面水温が平年より低くなり、その状態が1年程度続く現象を「ラニーニャ現象」と呼びます。 「ラニーニャ(La Niña)」とは、スペイン語で女の子という意味で、「神の子キリスト」を意味する「エルニーニョ」の反対現象ということから名づけられました。
日本気象協会 本社 日直主任