不特定多数による“いじめ”のように…SNSの普及で高まる「カスハラ対策」の重要性──ANAとJALも対策方針発表
片山記者 「その人をお客さんとして扱わないみたいなことですか?」 城間記者 「例えば、みどりの窓口で、暴言や暴力などがあった場合は、対応しないということですよね」 片山記者 「コンビニも不特定多数のお客さんが来るので、カスハラを受けることがよくあるそうなんです。店員さんって名札をつけていますよね。先日ローソンでこの名札を本名じゃなくてイニシャル表記にしても良いというふうになりました。あと、ファミリーマートでは本名じゃなくてもいいということにしました。田中さんが、名札上は佐藤さんと名乗るのもOK」
城間記者 「ネームプレートを変えるのがカスハラ対策というのは、一体どういうことなんでしょうか?」 片山記者 「コンビニのスタッフとかアルバイトの方って、お店の近くに住んでいる方もいらっしゃいますよね。お客さんに『名前を覚えたからな』と言われたり、勝手に名札を撮影されてSNSに上げられたりしたら、普段の生活を脅かされる可能性もあるので、こういった対応をとることにしたそうです」
■「お客様は“神様”」じゃない──SNS上の“いじめ”から従業員を守るために
城間記者 「最近になってカスハラの対応する企業が増えてきた背景というのはどういうものがあると考えますか?」 片山記者 「カスハラという言葉の広がりとともに、カスハラの存在とか対応の必要性について企業も認識が高まってきたと思うんです。飲食やホテルなどサービス業が加盟する労働組合、UAゼンセンが6月に発表した調査では、サービス業で働く人たちに『直近2年以内にカスハラを受けたことがありますか?』と尋ねたところ、およそ半数が『あった』と答えています」
城間記者 「ハラスメントが生み出す問題に詳しい日本ハラスメント協会の村嵜要(むらさき かなめ)代表理事に話を聞いたところ、SNSがそんなに普及していない時だと、従業員対客が一対一の構図だったのが、SNSが普及した現在では、従業員対不特定多数ということになってしまうんですね。かつては一対一のけんかみたいなものだったんですよ。それが今は、当事者以外も広く参加するいじめのような形に変わってしまったわけです」 「さらには、SNSによるカスハラの怖いところというのは、客は従業員に対して怒りを感じて投稿するとするじゃないですか。投稿したらそこでおしまいなんですよ」 片山記者 「スッキリするんですかね?」