空飛ぶクルマ(eVTOL)が水素燃料電池を搭載して航続距離を大幅に延伸
液体水素を最大40kg搭載して航続距離を確保
Joby社CEOのJoeBen Bevirt氏は、「(FCの搭載により)サンフランシスコからサンディエゴへ、ボストンからボルチモアへ、ナッシュビルからニューオーリンズへ、空港に行くことなく、しかも水以外の排出物なしで飛行できる時代がまもなく到来します」と、この技術の実用化に自信をみせる。 今回のテスト飛行に使われた機体には、Jobyが設計/製造した最大40kgの液体水素を貯蔵できるタンクを搭載する。水素は、Jobyの関連子会社であるH2FLY社が設計/製造した燃料電池システムに供給され、電気、水、熱を生成する。電力はJoby航空機の6つの電気モーターに電力を供給する。また離発着時の追加電力用にサブバッテリーも搭載されている。 FC化の利点は、現在各国で整備進みつつあるバッテリーeVTOLの離発着パッドや、運行管理プログラムとその運営スタッフなどを共有できるところにもある。つまり、水素の運搬や充填インフラを除けば特別な設備が必要なわけではない。インフラを共用しながら、短距離機~中距離機への乗り換えがシームレスに行えるようになるかもしれない。 国内でも、とくに西日本の地方自治体を中心にeVTOL導入の機運が著しく高まっており、空飛ぶクルマ事業への参入企業を熱心に募っている。Joby社はあくまで機体メーカーであり飛行プログラムの開発会社ではあるが、上述のとおり国内の企業とも関係を築いており、日本の空をJobyのFC-eVTOLが飛ぶ日が来るかもしれない。技術はまさに日進月歩で進化している。