宮田莉朋、粘りの走りで今季6度目の入賞。レッドブル育成ハジャルが今季4勝目/FIA F2第10戦レース2
7月28日、2024年FIA F2第10戦スパ・フランコルシャンのフィーチャーレース(決勝レース2)が行われ、ポイントリーダーのアイザック・ハジャル(カンポス・レーシング/レッドブル育成)が今季4勝目を飾った。 【写真】今季4勝目を飾ったアイザック・ハジャル(カンポス・レーシング) 宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)は16番手スタートから巧みなタイヤマネジメントを見せ7位となり、今季6度目の入賞を果たした。 フィーチャーレースのグリッドは26日に行われた公式予選で決定され、ドライバーズランキング2位につけるポール・アーロン(ハイテック・パルスエイト)が今季3度目のポールポジションを獲得。フロントロウ2番手にランキング3位のガブリエル・ボルトレート(インビクタ・レーシング/マクラーレン育成)が並んだ。 2列目3番手にハジャル、4番手にジャック・クロフォード(ダムス・ルーカスオイル/アストンマーティン育成)が続いた。 今大会のタイヤコンパウンドはプライムタイヤがミディアム(イエロー)、オプションタイヤがソフト(レッド)となる。上位勢の多くはスタートタイヤにオプションタイヤをチョイスするなか、5番グリッドのアンドレア・キミ・アントネッリ(プレマ・レーシング/メルセデス育成)、8番グリッドのリチャード・フェルシュフォー(トライデント)はプライムスタートを選択した。 タイヤ交換義務を有する周回数25周で争われるフィーチャーレース。前日スパ・フランコルシャンを覆っていた雨雲は過ぎ去り、気温16.0度、路面温度23.6度というドライコンディションでスタートを迎えた。 6番グリッドスタートのゼイン・マローニ(ロダン・モータースポーツ/ザウバー育成)がスタートで大きく出遅れるなか、15番手スタートのオリバー・ベアマン(プレマ・レーシング/フェラーリ育成)と17番手ジョセップ・マリア・マルティ(カンポス・レーシング/レッドブル育成)がマローニを挟むかたちで接触し、その弾みでベアマンとマルティの2台がターン1でクラッシュする。 一方、上位勢ではアーロンがターン1のホールショットを守る。オープニングラップのケメルストレートでハジャルが2番手、ボルトレートが3番手と順位が入れ替わるなか、ベアマン、マルティのマシンを回収するためオープニングラップからセーフティカー(SC)導入に。 4周目にリスタートを迎えるが、リスタート早々のターン6でラファエル・ヴィラゴメス(ファン・アメルスフォールト・レーシング)がスピンを喫し、ビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/アルピーヌ育成)を巻き込むかたちで2台がクラッシュとなり、早々に2度目のSC導入に。 7周目に2度目のリスタートを迎えると、8周目のケメルストレートでDRSの後押しも得たハジャルがアーロンをパスしトップに浮上する。トップの座を失ったアーロンは9周目にプライムタイヤに交換しハジャルに対するアンダーカットを狙うが、その動きに呼応したハジャルは10周目に、ボルトレートは11周目にプライムに交換。 各車ピットアウトの段階では順位の入れ替えはなかったが、、11周目のターン5でアーロンがハジャルをパスし、タイヤ交換義務消化組のトップに浮上する。 一方、プライムスタート勢の2番手につけていたアントネッリが16周目、プライムスタート勢トップだったフェルシュフォーは17周目にピットイン。ただ、アントネッリはピットストップでタイムロスがあり、フェルシュフォーに対するアンダーカットは成功ならず。 タイムロスが響いたアントネッリは同じタイミングでピットに入ったアムーリ・コルデール(ハイテック・パルスエイト)に先行を許したほか、16番手からスタートし、早めにオプションからプライムに交換していた宮田がケメルストレートでアウトラップでタイヤが温まりきっていないアントネッリをオーバーテイクする。 これで宮田は全車がタイヤ交換義務を消化した段階で入賞圏内の9番手まで浮上。さらに19周目にジョシュア・デュルクセン(AIXレーシング)をパスし宮田は8番手に浮上する。 8番手宮田、9番手アントネッリ、10番手コルデールの3台はテール・トゥ・ノーズの見応えのあるバトルを展開するが、終盤ミディアムタイヤで最も安定して好ペースを刻む宮田が後ろの2台を徐々に引き離す。22周目にはコルデールがアントネッリをパスし9番手となる。 終盤、宮田は7番手マローニを1.5秒上回るペースで猛追する。23周目に2.6秒、24周目に1.5秒差まで縮まるが、順位を入れ替えるまでには0.602秒届かず。 一方、一時はトップの座を取り戻したアーロンだったが、レース終盤が近づくにつれてタイヤのデグラデーション(性能劣化)が厳しくなったのか、突如ペースダウン。これでハジャルが難なくトップ、ボルトレートが2番手に浮上する。 アーロンは3番手死守を目指していたが、ファイナルラップのケメルストレートでまさかのスローダウン。アーロンはチェッカーを受けることは叶わず、完走扱いの16番手まで後退することに。 25周のレースを終え、ハジャルが今季4勝目を飾った。2位ボルトレート、3位クロフォード、4位ザク・オサリバン(ARTグランプリ/ウイリアムズ育成)、5位フェルシュフォー、6位マローニ、7位宮田、8位コルデール、9位アントネッリ、10位デュルクセンまでがポイント獲得となった。宮田は6ポイントを獲得し、第9戦ブダペストのフィーチャーレースに続く、今季6度目の入賞となった。 2024年FIA F2、次戦となる第11戦はサマーブレイク明けの8月30日~9月1日に、イタリアのモンツァ・サーキットで開催される。今季のFIA F2も残るは4戦8レース、サマーブレイク明けも激しく、目が離せない戦いが繰り広げられそうだ。 ■2024年FIA F2第10戦スパ・フランコルシャン フィーチャーレース正式結果 Pos./No./Driver/Team/Time/Gap 1/20/I.ハジャル/カンポス・レーシング/57'08.495 2/10/G.ボルトレート/インビクタ・レーシング/2.934 3/7/J.クロフォード/ダムス・ルーカスオイル/12.093 4/2/Z.オサリバン/ARTグランプリ/13.741 5/22/R.フェルシュフォー/トライデント/19.392 6/5/Z.マローニ/ロダン・モータースポーツ/21.282 7/6/宮田莉朋/ロダン・モータースポーツ/21.884 8/16/A.コルデール/ハイテック・パルスエイト/25.388 9/4/A.アントネッリ/プレマ・レーシング/31.800 10/24/J.デュルクセン/AIXレーシング/32.446 11/8/J.コレア/ダムス・ルーカスオイル/39.528 12/11/D.ハウガー/MPモータースポーツ/42.048 13/25/T.バーナード/AIXレーシング/43.750 14/23/R.スタネ/トライデント/53.654 15/9/K.マイニ/インビクタ・レーシング/58.331 16/17/P.アーロン/ハイテック・パルスエイト/DNF -/14/E.フィッティパルディ/ファン・アメルスフォールト・レーシング/DNF -/15/R.ヴィラゴメス/ファン・アメルスフォールト・レーシング/DNF -/1/V.マルタンス/ARTグランプリ/DNF -/12/F.コラピント/MPモータースポーツ/DNF -/3/O.ベアマン/プレマ・レーシング/DNF -/21/J.マルティ/カンポス・レーシング/DNF ・ファステストラップ(総合): ポール・アーロン(ハイテック・パルスエイト):1分59秒029(11/25)211.834km/h ・ファステストラップ(得点対象): ガブリエル・ボルトレート(インビクタ・レーシング):1分59秒404(13/25)211.168km/h ・ペナルティ: #9 クッシュ・マイニ(インビクタ・レーシング):5秒タイムペナルティ/トラックリミット違反4回 #23 ロマン・スタネ(トライデント):5秒タイムペナルティ/トラックリミット違反4回 [オートスポーツweb 2024年07月28日]