クリスチャン首相・石破茂は日本をどこへ導くか、プロテスタントのカルヴァン派が持つ強い信念
■トランプ前米大統領と同じ信仰 実はドナルド・トランプ前大統領の宗教も、キリスト教プロテスタントのカルヴァン派の一派、長老派(プレスビテリアン)であることが知られている。 トランプ氏は幼い頃、生まれ育ったニューヨーク市クイーンズの長老教会に通っていた。そして、そこで1950年、13歳になった頃に堅信礼を受けた。その後は、マンハッタン5番街にあるマーブル協同教会に毎週日曜日、約50年間も礼拝に行ったという。
ただ、トランプ氏は大統領在任中の2020年10月、アメリカのメディア「レリジョン・ニューズ・サービス」の取材に対し、自分はもはや長老派教会員ではなく、今は無宗派のキリスト教徒だと考えていると述べた。トランプ氏は過去に何度も長老派教会員であると公言してきたのにもかかわらずである。 アメリカのメディアは、これはトランプ氏が幼少期に通っていた教会から徐々に離れ、政治的影響力の強い福音派キリスト教指導者と緊密に連携した結果と報じた。
ただ、子どもの頃からの信心はなかなか変わるものではないだろう。 佐藤氏が早くからトランプ氏の時に独断的に見える思考や行動の背後に、カルヴァン派の発想があると指摘してきた。 佐藤氏は2017年1月、都内で行われた新党大地主催の月例定例会で、次のようにも語っていた。 「カルヴァン派の場合、神によって選ばれる人は生まれる前にあらかじめ定められている、と考える。本人の努力は一切関係ない」 「そうすると、試練にすごく強くなる。どんなにひどいことに遭っても、負けない。どうしてか。神様が与えた試練なので、最後に勝利すると決まっていると考える。そして、問題はどういう勝利の仕方なのか、と考える」
そして、トランプ氏については「自分は神様に選ばれたときっと思っている」と当時分析していた。 ■持論を現実のものにできるか 佐藤氏は雑誌『プレジデント』2020年7月17日号の寄稿の中で、「トランプ米大統領の信仰する長老派の特徴は、打たれ強いこと。その代わり、負けを認めず、反省しません。新型コロナウイルスや人種差別反対デモへのトランプ大統領の対応は、俺は間違えていない。だからやり方を変えないという態度です。強い信念はカルヴァン派の思考の特徴ですが、そのマイナスの面が出ていることを感じます」と指摘していた。