「ラフすぎる服装」は自分の値打ちを下げるだけ…一流の仕事人がスーツをパリッと着こなす本当の理由
人から大切にされる人と、ぞんざいに扱われる人は何が違うのか。1959年にアメリカで発売されて以来、世界中で読まれている自己啓発本、ダビッド・J・シュワルツ著『大きく考えることの魔術』(翻訳:桑名一央氏/実務教育出版)より、その一部を紹介しよう――。 【この記事の画像を見る】 ■人によって扱われ方が違うのはなぜか 店の店員が、ある人にはていねいに「おはようございます。なにかご用は?」と挨拶するのに、他のお客にはぶっきらぼうな態度で接するのを見て、不思議に思ったことはないだろうか。あるいは、ある女性のためにはドアを開けてあげるのに、ほかの女性に対してはまったくそうしないのはなぜなのか? このような例は見回せば数多くあるだろう。ある人は「おい」とか「こら」といった扱いを受けるのに、別な人は丁重に扱われる。よく観察してみたまえ。信頼や忠節、賞賛を受ける人と、そうでない人がいるのに気づくはずだ。 どうしてこうなってしまうのだろうか? ひと言で言ってしまえば、それはあなたの考え方からくるのだ。われわれは、自分がそれに値すると考えているような扱いを受けているのである。 自分は劣っていると考える人は、その人の本質がどうであるかには関係なく、劣っている人の扱い方をされる。劣っている人は、劣っている人なりの行動をとるからだ。劣等感を持っていれば、彼はそのような行動をとる。どんなに隠そうとしても、長い間それを隠し通せるものではない。どこかで劣等感を持った人の行動をとってしまうのだ。 こうして自分が重要な人物ではないという劣等感を持っている人は、重要ではない人間となってしまうのである。考えが行動を規制するのだ。
■あなたの考えがあなたの価値を決める 逆にいえば、自分はその仕事に適していると考えている人は、ほんとうにそのようになるのである。 ということは、大切なことは、自分は重要な人間だと考えねばならないということだ。心からそう考えなければならない。そうすれば、周囲もそう考えるようになるだろう。このことをわかりやすく書き表わせば次のようになる。 あなたの考えがあなたの行動を決定する。 同時にあなたの行動が、あなたに対する他人の反応をも決定するのである。 他人の尊敬を得るには、まず、自分は尊敬に値する人間だと考えなければならない。そして、自分自身に尊敬の念を持てば持つほど、人はあなたに対する尊敬の念を強めるのである。この原理を試してみることだ。 ■服装はなぜ重要なのか 自尊心を増し、他人の尊敬を得るためにはいくつかの方法がある。 私が教えを受けた心理学の老教授は、学年試験の前になると、決まってなぜか次のようなことを言っていた。 「この大切な試験のためには、きちんとした服装をすることだね。新しいネクタイを買いたまえ。ズボンはプレスして、靴も磨いておくことだ。外見がシャープだと、考えかたもシャープになるものだよ」 あなたの肉体的な外観は、あなたの精神の内面に影響するのである。外からどう見えるかは、あなたが内心どう考え、どう感じるのかに影響するのだ。だから、服装を、あなたの精神を高揚させ、自信を植えつける道具として用いることである。 軍隊に入ったことのある人なら誰でも知っていることだが、軍服を着ると軍人らしく感じ、軍人らしく考えるものなのだ。女性なら、パーティー用のドレスを着てはじめて、いかにもパーティーへ行くのだという気分になれるのである。