「ラフすぎる服装」は自分の値打ちを下げるだけ…一流の仕事人がスーツをパリッと着こなす本当の理由
■仕事観でその人の潜在能力がわかる 三人の煉瓦(れんが)職人の話がある。三人の煉瓦職人が「君たちは何をしているんだい?」と聞かれたとき、一人目の職人は「煉瓦を積んでいます」と答えた。二人目は「1時間3ドル30セントで働いているのです」と答えた。だが三人目の職人は「私ですか? 私は世界最大の大聖堂を造っているんですよ」と答えたというのだ。 この話はここで終わりで、彼らがその後どうなったのかについては語っていない。しかしおそらく最初の二人は、そのままの煉瓦職人で終わっただろう。彼らにはビジョンがないし、仕事に対する自尊心もあまりない。大きな成功をもたらす何かが欠けているのだ。 これに対して三人目の、世界最大の大聖堂を心に描いていた男は、決して煉瓦職人のままでは終わらなかっただろう。少なくとも職長か請負人、ひょっとすると建築技師になったかもしれない。そしてもっと前へ、上へと昇っていったと思う。なぜか? 彼の考え方がそのことを実現させてくれるからだ。三人目の煉瓦職人は、自己発展の道を示すチャンネルに、自分の考え方をあわせているからである。 仕事に対する考え方は、その人の潜在的な能力を推しはかるものなのだ。就職コンサルタントをしている友人はそのことをよく知っていた。 「就職希望者にいつも注意することは、その人が現在の仕事についてどう考えているかということです。いまの仕事のどこかが嫌いになっていても、その仕事は重要な仕事だと考えている場合には、その人からはいつも好印象を受けます」 「その理由は簡単です。そういった人からはプライドが感じられるからです。そして、いまの仕事が重要だと感じている人は、仕事を移っても、プライドを失わずにいい仕事ができるはずなのです。仕事に対する尊敬の念と仕事の成果とは、驚くほど緊密に関係しているのです」 ■一流の人として振舞おう 外見と同じように、あなたの仕事に対する考え方も、多くのことを周囲の人に語っている。 だから、自分は二流だ、必要なものが欠けている、失敗するだろう、弱い人間だと考えている人は、やはり凡庸の域を出ないだろう。 逆に、私は重要なのだ、私は必要なものを持っている、私は一流の人間だ、私の仕事は重要な仕事だと考えてごらんなさい。そうすれば、成功への道をまっしぐらに進むことになるだろう。 ---------- ダビッド・J・シュワルツ ジョージア州立大学経営管理学部教授 ネブラスカ大学で理学士取得。オハイオ州立大学で修士号、オハイオ州で博士号取得。専門分野は主として、経営組織、マーケティング、経済、心理学。また、人材の活性化および開発を手がける業界のコンサルタントも務める。『大きく考えることの魔術―あなたには無限の可能性がある』(実務教育出版)の原書『THE MAGIC OF THINKING BIG』は、アメリカで1959年の発売以来、世界的ベストセラーとなった。 ----------
ジョージア州立大学経営管理学部教授 ダビッド・J・シュワルツ