「1ページから本を読む」は間違っている…仕事のできる一流が最初に開くページ、次に読むページ
■反復すると、脳の記憶にしっかり残る それに、たとえ「何冊読んでも一緒だった」という結果になったとしてもいいではないか。違う専門家が同じようなことを本に書いているのであれば、そのテクニックやノウハウに対する信頼度はさらに高くなる。「読んで損した」という感情を抱くべきではない。同一テーマの本の、同一のトピックを読めば、より一層多様な視点が手に入るはずだ。 「アジェンダはこう作るのか」 「このような会議の進め方のほうが自社に合っている」 「この著者はアナウンサーか。だからこの本で紹介されているやり方は、他と違うんだ」 本を読み比べるといろいろな発見がある。そのテーマに対する見識が爆発的に増えていく。「たかがファシリテーションと思っていたけど、シチュエーションによって随分とやり方も変わるんだな」多くの経験をしないと身に付かない見識が、10冊近く読むだけで、ある程度身に付いてしまうのだ。こうして体系的にノウハウを覚え、深く理解することで、自分が実践するときはどうしたらいいのか。具体策もイメージできるようになる。 また、実際にやってみてうまくいかなければ、もう一度「水平読書」を試みてほしい。チェックを付けた「目次」を頼りに、再びザーッと10冊ほどに目を通すのだ。すると、確実に新たな発見があるはずだ。 「そうか! 出席者の事前情報を正しく収集できていなかった。それを忘れていた」どの本で、その重要なポイントを見つけられるかはわからない。だから複数の本を並べて「水平読書」をするのである。 「水平読書」を反復することで、重要な知識が脳の短期記憶(ワーキングメモリ)にしっかり格納される。何かあったとき、すぐに思い出せるほど記憶に残る。まさにこれが「ダム勉強」である。 ---------- 横山 信弘(よこやま・のぶひろ) 株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長、コンサルタント 1969年、名古屋市生まれ。幼いころから自由奔放な性格で、大学も行かずに社会に飛び出した。35歳でコンサルタントに転身したことを機に、独学による猛勉強を開始。その数年後には実績を上げ始め、セミナーや講演の依頼が殺到。代表を務める会社のコンサルティング先はNTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで200社以上。著書に『絶対達成マインドのつくり方』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの他、『「空気」で人を動かす』などがある。 ----------
株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長、コンサルタント 横山 信弘