平川亮、WEC富士で初の予選アタックへ。試練を予想も「それでも狙う。“コンマゼロイチ秒”でも速く」
9月13~15日に開催される2024年WEC世界耐久選手権第7戦『富士6時間レース』。地元戦を迎えるTOYOTA GAZOO Racingの8号車GR010ハイブリッドに乗る平川亮は、ハイパーカーで初の予選アタッカーを務めることが分かった。 【写真】トラックウォークへ向かう平川亮/2024年WEC第7戦富士 いよいよ明日から走行が始まる富士スピードウェイにて、コースの下見を終えた平川に聞くと、「アタックします」と明言。地元戦富士でのアタッカーを務めることになった理由や、意気込みを聞く。 ■日本での経験は「あまり活きない」 今回予選アタックを担当することになった経緯については、チームに「リフレッシュしたい」という考えがあったのだという。 「今年は予選だけでなくスタートドライバーも入れ替えてみたりと、8号車としていろいろなことをやっています。さらに、今はチャンピオンシップも厳しくなってしまっているので、今回がいいきっかけだろうと。」 「実は去年から、自分が予選を走るというような話も出たりしてはいました。予選を経験しておくということも大事だろうという意見もあって、自分が富士で速かったというところを含めて今回のアタックが決まりました」 今回は、積極的に新しいことにトライしている8号車の戦略のひとつとして起用が決まったといい、「名乗り出たわけではない」との一言も続いて出ていたが、初のアタックについては「かなりドキドキしている」と心境を露わにする。 「自分はまだ、これまでのテストでも練習走行でも予選シミュレーションをやったことがないです。なので、予選までの3度のフリープラクティスで慣れないといけないというのは、すこしネックですね」 「もちろんチームメイトのふたり(セバスチャン・ブエミとブレンドン・ハートレー)にはアドバイスをもらって、シミュレーターでも練習をしてきました。それでも、ほかのどのチームもみんな速いでしょうし、簡単ではないのは間違いないですよね」 初のハイパーカーでの予選と言えど、スーパーGTやスーパーフォーミュラで培った経験が活きてくるのではないかと思ったのだが、「それは多分、あまり活きないと思いますね」と彼自身にとっても厳しいコメントが続いた。 「ハイパーカーはクルマのドラッグ(空気抵抗)が少ないので、トップスピードがさらに速いです。なので、どのコーナーでもブレーキングのタイミングは早めになってきます。100Rもブレーキを踏まないと曲がれなかったりするくらいなので、乗り方はもう全然違うものになると思いますね」 「それも含めて、予選シミュレーションを走ってみないとわからないところが多いです」 改めて、今回の予選は新たな挑戦になると語る平川。決勝については、今回も「ロングランのペースでポテンシャルが発揮できるはず」と自信を持っており、土曜日の予選が秘める勝利の可能性に真剣に向き合っている様子だ。 「現実的な状況を見ると、普通に走っているようではポールポジションは獲れないかもしれません。決勝で挽回するというほうが今週の目標になるのではないか、とも思います」 「ですが、それでも狙いにいくのは間違いないですし、コンマイチ秒でも、コンマゼロイチ秒でも速く走る努力はもちろんします。レースは6時間あるとはいえ、そう簡単に前に出られるわけではないので、ひとつでも前の順位からスタートできるように頑張ります」 [オートスポーツweb 2024年09月12日]