スウェーデン人の夫との子育ては、子どもたちも「自分で決める」エッセイスト桒原さやかさんの新連載『北欧パパと日本で子育て』がはじまります!【vol.1】
北欧と日本は似ている? 似ていない?
日本と北欧は似ているところが多いとよく聞きます。確かにシャイで控えめな性格の人が多く、ちょっと真面目なところもあったりして、感覚が近いように感じます。そんなこともあってかスウェーデン人の夫といっしょに暮らしていても、えぇー!と驚くことは、実はそんなに多くありません。でも、「あれ……なんか変だな」「何かが違う……」とじわじわ後になってから気づくことが多いのです。 【画像6枚】家族写真や南スウェーデンに帰省したときの写真など ■決めきってくれない、スウェーデン人の夫 たとえば、ふたりでショッピングをしていたとします。お互いの意見が合わずに買わないという決断になったとき、夫は必ずこんなことを言うのです。 「本当にいいの? 自分がいいと思うようにしたらいいよ」と。 少し突き放されたような感じもするし、予防線を張られているような気もして、毎回ちょっとムッとします。でも改めて「自分はどうしたいんだっけ?」とぐるっと心の中で一周してみると、「自分が決めた」という意識がポンッとそこに生まれるのです。
大事なのは「自分で決めること」
この意識があるとないとでは、大きく違います。 「買えばよかった……」とあとから後悔しても、自分が決めたという意識が小さくともあれば、これは自分の責任だからしょうがないと、わりとすんなり受け止められる。それに失敗してもいいから今度は欲しいと感じたモノは買おうと、自分なりに反省点を見つけられることもあります。つまり、自分でどうにか対処しようとするのです。 でも「夫に決められた」という意識がどこかにあると、「あのとき買わせてくれなかった」という渦巻いたイヤな気持ちがむくむくと膨らんでいき、イライラの矛先が夫に向かってしまうのです(ここまで書いていて、自分の小ささに恥ずかしくなりますが……苦笑)。
北欧の人たちがご機嫌に過ごすヒントとは?
北欧のことを知っていくうちにわかってきたのは、「自分で決める」ということをあらゆる面で彼らが大事にしているということ。それは人生に関わるような大きな決断から、日常のほんとうに些細なことまで、自分で考えて、自分で決める。とてもシンプルなことですが、これが北欧の人たちの毎日をご機嫌にしてくれるヒントのようなのです。 これを知ってからは、意識をして「自分はどうしたいのか?」「自分は何がいいと思っている?」と心の中で問いかけるようになりました。