スウェーデン人の夫との子育ては、子どもたちも「自分で決める」エッセイスト桒原さやかさんの新連載『北欧パパと日本で子育て』がはじまります!【vol.1】
子どもだって「自分で決める」
スウェーデン人の夫と子育てをしているなかで、あれ……と気がついたことがあります。それは食べ物から、遊び、自分で身に付けるものまで、子どものことも夫は勝手に決めたりしないのです。 たとえば洋服を選んでいるとします。ぜったいにこっちがいいと親が思う服があったとしても、子どもたちに「どれが好き?」と聞くのです。そして、子どもに自分で選んでもらう。 その日手に取ったのは、真ん中にキャラクターがドンと描かれたTシャツでした。 あぁー、違う方がよかったな……と思う気持ちも正直あるものの、「見て見て!かっこいいでしょう?」とキラキラした目で自慢している子どもたちを見ているとやっぱり嬉しくなります。それに実際に自分で選んだものは、私たち親が選んだものよりも、はるかに大事に、楽しそうに使ってくれることが多いのです。
小さなときから始まる、言語化の練習
夫は、子どものころに泣いていたとき、「なんで泣いているの?」「あなたはどうしたいの?」ということを聞かれたそうです。そして言葉にできるまで時間がかかっても、いつも親は辛抱強く待ってくれていたと言います。親になってはじめて「待つこと」にどれだけ根気がいるのかわかりましたが、それくらい「言葉にすること」を大事にしているということなのかもしれません。 自分で考えて、決める。それを言葉にする。 この練習を北欧ではこんなにも小さなときから始めているんだなぁと感じます。その大切さを実感した今となっては、私も意識をして子どもたちに聞くようになりました。 「どこに行きたい?」 「何をして遊びたい?」 今日も自分たちで決めた遊びをしながら、子どもたちは元気いっぱい走り回っています。 ここまで読んでいただきありがとうございました!次回もどうぞよろしくお願い致します。 【プロフィール】 桒原さやか|ライター・エッセイスト イケア勤務を経て、ウェブメディア&ショップ「北欧、暮らしの道具店」の初期スタッフとして約6年間働く。その後、スウェーデン人の夫である、オリバー・ルンドクイスト氏と一緒にノルウェーのトロムソに移住。1年半滞在したのち帰国し、現在は長野県松本市に在住。著書に『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』(ワニブックス)、『北欧の日常、自分の暮らし』(ワニブックス)、夫との共著書に『家族が笑顔になる北欧流の暮らし方』(オレンジページ)がある。
文・構成・写真/桒原さやか