セブン&アイ3~8月期決算会見(全文1)決算概要と中期3カ年計画を発表
不動産再開発の視点を取り入れた、GMS、百貨店の再生プラン
ここからは不動産再開発の視点を取り入れた、GMS、百貨店の再生プランについてご報告を申し上げます。このグラフは横軸に経過年数、縦軸に営業利益を取っております。上のグラフが衣料・住居、下のグラフが食品でございます。 衣料・住居につきましては、店舗年齢が若くても、経過しても、両方とも利益が出てないという非常に危機的な状況にございますが、一方で食品につきましては経過20年までは利益率が一定の水準を保ちますが、20年を超えますと急激に食品の利益率、下がってまいります。いかにまた、この30年経過以上のお店が多いかということもお分かりいただけると思います。 やはりヨーカドーもそごう・西武も同様に、店舗運営単独では資本コスト以上の収益を上げるのが非常に難しい環境となっているっていうことを認識しています。加えて、今、申し上げましたように老朽化する施設の問題があり、保守修繕費の増加と、リターンが見込みづらいのが現状であります。 ただ、IYもそごう・西武も非常に優良な保有資産があり、特に不動産再生が見込める案件につきましては、積極的に再開発を検討してまいります。今年中にグループ保有不動産の資産効率の向上に向けて、周辺環境の変化に合わせた再開発プランを策定する機能を持った新会社を設立し、ホールディングスのガバナンスの下、不動産として再開発を図ってまいります。 不動産再開発の1例です。地域社会のニーズ、要請に合わせて、マンションやクリニック、老人ホームや託児所など、食品スーパーを組み合わせた形で再開発をしてまいります。スキームに関しましては基本、保有する土地と建物を等価交換する形でバランスシートを軽くし、GMS業態から食品スーパーへと転換を図っていきたいと考えています。 このグラフは先ほどのグラフと同様に縦軸に営業利益、横軸に自営の売り場面積を入れて、店舗をプロットしてます。3年間の店舗PLの営業利益でプロットしております。上のグラフは衣料・住居でございますが、店舗面積が大きいほど赤字が大きくなってしまうという、非常に根本的な課題を露呈しております。一方、下のグラフ、食品ですが、店舗面積が大きいほど、やっぱり営業利益が上がるという状況になっておりまして、ここにまさにイトーヨーカ堂の課題が凝縮されていると思います。