セブン&アイ3~8月期決算会見(全文1)決算概要と中期3カ年計画を発表
新しいオムニチャネル戦略
続いては新しいオムニチャネル戦略についてです。従来のオムニチャネル戦略はEコマース中心の不特定多数のお客さまに向けた戦略でしたが、再度、既存のお客さま目線で見直しを図りました。グループの強みを整理しますと、現在2万店を超えるあらゆる業態の店舗で、1日当たり2,200万人のお客さまにお買い物を実際していただいております。そのお客さまに有用な情報をご提供をし、全チャネルを上げてお1人お1人に合った商品やサービスを提供させていただきます。具体的には年々普及率が高まっておりますスマートフォン用にグループ各社のアプリケーションを開発し、アプリをダウンロードしていただいたお客さまの情報を共通のIDで一元化することにより、お1人お1人のお客さまの立場に立った提案を実施してまいります。 イメージいただけるように、仮称・セブンアプリの画像を用意いたしました、お客さまにアプリをダウンロードいただくことでいろんなことが実現できます。ご購入いただいた商品のカロリー、コレクティブ販促や購買連動型ゲームなどを楽しみながらお買い物をしていただける、楽しめる仕組みや、ご利用状況に応じたパーソナル販促へもつなげてまいります。もちろんスマホの世界ですから、ここからオムニ7にリンクし、ネットとリアルを行き来してもらうことも可能でございます。 オムニチャンル戦略をお客さまに視点を当てたグループの顧客戦略と位置付け、グループ全体のご利用に応じたポイント販促等、きめ細かなパーソナル販促を実施していきます。オムニチャネルの本当の狙い、効果は、シナジーの発揮です。あらゆる消費場面をつなげ、ライフタイムバリューに応じてサービスを付与します。 例えば、赤ちゃん本舗をご利用の新生児を抱えたお客さまに、IYのネットスーパーをお使いいただいて、あるいはセブン-イレブンのセブンミールサービスをご利用いただいて、そこにボーナスポイントをお付けしたり、あるいは赤ちゃん本舗をご利用されなくなったお子さまに、ヨーカ堂の子供服、あるいは大きくなったらランドセル、またさらに大きくなったらセブン-イレブンをお使いいただくと、お客さまのライフステージに合わせたサービスや商品の提供を通じて、ともに成長できる親しみのあるグループにしていきたいと考えております。 イメージ図ですが、誕生してからお年を召されるまでうちのグループを幅広くご利用いただけるような、このような形でリアルとネットをつなげて対応していきたいと思います。日々のお買い物にはセブン-イレブンをはじめ、イトーヨーカ堂、ベニマル、ヨークマート、日々の食を支えてまいります。それぞれのライフステージに合わせて、赤ちゃん本舗、IY、SSをご利用いただいて、ライフシーンに合わせて百貨店であったり日常のお店を使い分けていただく。 そして金融につきましても、プリペイド型のnanacoであったり、あるいは大学生になったらセブン銀行で口座をつくっていただいたり、あるいは社会人になったら私どものクレジットカードをつくっていただくというような形で、バリューを拡大していきたいと、このように思っております。 見方を変えて計画を達成するため、各事業会社がどのジャンルで力を発揮して、推進してもらいたいかを記載してございます。それぞれ二重丸と丸印で推進していく会社を記しております。金融関連、首都圏食品強化につきましては、またこの春に、決算発表のときに新たな取り組みの方向感をお伝えしたいと思っております。また、マネージメントアプローチがこのように変わってまいりますと、会計セグメントへの変更も来春から検討していきたいと考えております。現在は通販事業、あるいは外食等が戦略セグメントへ入っておりますが、そこら辺の見直しも図っていきたいと思います。 最後に、財務戦略についてご報告を申し上げます。まず、設備投資でございますが、事業ごと、目標とするROAを達成すべく、ポートフォリオコミティを通じて規律ある投資を実行します。具体的には成長事業へ傾斜配分し、特に北米コンビニエンス事業はM&Aを検討。一方、構造改革事業はリターンの見込める既存店の活性化へ傾斜配分してまいります。資金調達につきましては、自己資本率が格付けAAで維持できることを前提としつつも、成長戦略による資金調達が必要な場合につきましては、有利子負債で調達も考えてまいります。 今日は、詳細に触れていませんが、金融事業の成長も検討しておりますので、D/Eレシオ0.5程度までは許容と考えております。株主還元策でございますが、連結配当性向は40%を維持。成長事業と内部留保、バランスを勘案しつつ、柔軟な資本政策としていきたいと思います。従って今回の事業改革、特損をかなり出しまして、上期の純利益は大幅に減益になっておりますが、配当につきましては減額は行わない方針で臨んでいきたいと思っております。今後ともご理解とご支援のほど、いただきたいと思います。私のほうからの中期計画の説明は以上でございます。ご清聴ありがとうございました。 司会:ありがとうございました。それでは、質疑応答に移らせていただきますが、その前に少し準備をさせていただきます。 【連載】セブン&アイ3~8月期決算会見 全文2へ続く