セブン&アイ3~8月期決算会見(全文1)決算概要と中期3カ年計画を発表
エイチ・ツー・オー リテイリングとの資本業務提携について
本日、エイチ・ツー・オー リテイリングさまとの資本業務提携に向けた基本合意書を締結いたしました。これはまさに私どもの考える新しい経営の考え方を具現化できた第一歩であると考えております。 企業価値の向上、持続的成長を考えたとき、今のままのグループ形成でいいのか、何度も慎重に検討を重ねた結果、エリアと業態については選択と集中という、新しい軸を経営判断に入れていかなければならないという結論にいたりました。セブン-イレブンの全国展開、ヨークベニマルのリージョナルな成功。これらの成功モデルをベースとして、苦戦の続く百貨店事業については、最大消費マーケットである首都圏を中心としたお店に経営資源を集中させ、資源の再配分を検討していきたいと思っております。 一方、百貨店の撤退したエリアにおいては、戦略的パートナーとして補完し合う形が理想と考え、ご縁があり、エイチ・ツー・オー リテイリングさまと資本業務提携を前提とした基本合意について締結をいたしました。 エイチ・ツー・オーさまは百貨店としての経営管理にたけており、結果、高い営業利益率という成績を残しておられ、パートナーとして申し分ない相手さまと考えております。そして本契約の円滑な推進と強固な関係構築のため、株式を相互に持ち合うことを基本合意しております。 業務提携の内容につきましては、まずはそごう・西武の関西の3店舗。神戸、高槻、西神の承継を前提とした検討を開始いたします。また阪急阪神グループで展開しているSポイントを関西2府4県の約2500店のセブン-イレブンの店舗で、たまる、使える、体制にいたしまして、関西エリアのお客さまの利便性向上につなげていきたいと思っております。 そして西日本で圧倒的ナンバーワンブランドである阪急阪神百貨店さまのギフト等の商品をセブン-イレブン・ジャパンの店舗でお取り扱い、留め置きの検討をしてまいりたいと思っております。 私も先日、梅田の阪急本店を1人のお客として訪ねてまいりましたが、素晴らしい店格で、買い物しやすい通路幅、天井の高さ、そして商品の品ぞろえの素晴らしさ。また従業員さんが非常に清楚で丁寧で、素晴らしい接客をされておりました。この日本ナンバーワンの百貨店と、私どもセブン-イレブン・ジャパンの店舗がこの先どんなコラボレーションができるかということを想像するだけで、自分自身がわくわくとしてくると、そんな業務提携を検討していきたいと考えております。 今一度、グループとして百貨店を有する意味合いについて整理いたしました。まずはオムニチャネルにおける、ハレの日消費のチャネルとして、いろいろなライフシーンをつなぐために絶対必要であると考えております。ただ一方、百貨店市場の縮小は不可避であるとも考えております。お取引先との条件をとっても、一番店と二番店以下の違いは今後、さらに拡大していくと考えております。 他社さまのお話で大変恐縮ですが、三越さんの千葉店の閉鎖のニュースがございました。三越さんといえば関東圏においてはやっぱりナンバーワンブランドの百貨店だと思います。それでも千葉のお店は閉鎖せざるを得ない。一方、私どもの千葉のそごうのお店につきましては、おかげさまで営業利益率4%程度の成績を上げることができております。この小さなエリアでも一番店と二番店の差がこれだけ出るのが百貨店業界なのかということを、認識を新たにさせていただいた次第でございます。関西1番店を有する、エイチ・ツー・オーさまとの提携は本当に意味があるものだと考えております。