セブン&アイ3~8月期決算会見(全文1)決算概要と中期3カ年計画を発表
中期3カ年計画を発表
井阪:本日はお忙しい中、ご参集いただきまして誠にありがとうございます。セブン&アイの井阪でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。就任から約100日間、お時間を頂戴いたしまして、グループの経営をどう、かじ取るか。社内外、多くの方々のお話に耳を傾け、いろいろ考え抜いてまいりました。私どもの経営体制が変わりますのは24年ぶり、セブン-イレブン・ジャパンにおいては43年ぶりのことであります。 その中で変えてはいけないこと、しっかり守っていかなければならないこと。また一方で変えなくてはいけないことについて、どう変えていくのか。整理をしながら100日間をかけて中期経営計画を練り上げてまいりました。本日ここにご報告をさせていただきたいと思います、よろしくお願いいたします。 まずは自分たちを見詰め直し、どんなグループになりたいか、どんなグループであるべきかグループの経営方針について説明をいたします。グループ全体で売り上げ10兆円を超えるこの巨大なグループの素晴らしさは、名誉会長がしつけレベルで植え付けてくださった企業理念にあります。それはあらゆるステークホルダーから信頼される、誠実な企業でありたいという普遍のメッセージ。この創業の理念を次の世代にもしっかりつないでいくことが、私たちの大事な役割であると考えております。そして鈴木前会長が築き上げた変化への対応をベースとした、単品管理の思想。徹底して質にこだわる、MD戦略を軸とした成長についても私以下、今後もさらにここに磨きを掛け、お客さまの期待に応えていきたいと思っております。 一方、課題にもしっかり目を向け、総括し、改善すべき点は改めていかなければならないと考えています。100日間で経営課題を洗い出しましたが、まず投資に対する問題がございます。代表的な事例をお示ししておりますが、イトーヨーカ堂はホールディングス設立以降の設備投資が累計で4136億円ございます。それに対しまして同期間の累計EBITDAが2,435億円となっています。M&Aもそごう・西武をはじめ、なかなか投資家の、あるいは会社としての利益、リターンを十分取れておりません。これまでの特別損失の問題、オムニチャンネル戦略の問題も含め、これらの経営課題を真摯に捉え、ガバナンスを強化し、透明性の高い意思決定により、企業価値を向上させることが私の任務であるという思いを強くいたしました。 グループの経営方針を整理いたしました。労働集約型産業である小売業において、社員が目指す方向性を統一することがとても大切なこと考えています。先ほど申し上げました政治と信頼、変化対応を基本方針としながら、グループとして目指す方向性は複数の業態を抱える、グループならではの付加価値の高い商品、サービスの提供をしていきたいと考えております。お客さまのライフステージ、ライフシーンに寄り添いながら、暮らしの利便性を高める、結果として地域になくてはならない、親しみのあるグループにしてまいります。そのためにお取引さま、技術革新などあらゆるリソースも活用しながら、商品、サービスの絶対的勝ちを追求し、お客さまの満足度を高めていきたいと思っております。