敗れた米国のメディアは侍Jの金メダル獲得をどう報じたのか「最大のヒーローは森下」「米国は古参とマイナーの寄せ集め」
同メディアが、決勝戦のキーマンとして称えたのは5回を3安打5奪三振無失点に抑えた先発の森下暢仁(広島)だ。 「この日の日本の最大のヒーローは広島カープで成長株の23歳の先発投手、森下暢仁だった。2020年のセリーグ新人王は、右打者の目を忙しく動かした大きく伝統的なカーブボールと、動く直球、前に踏み出す足の膝を空中で一度止める投球フォームで米国打者のバランスを崩し続け、米国打線を5回無失点に抑えた」と、カーブを効果的に使ったピッチング内容を絶賛。 「プレッシャーはあったのだろうが、森下は金色のグローブを使用していた。このグローブの色は、日本中の子供の間で大人気になるだろう。実際に日本の若いスター選手たちにとって大きな一日だった」とも続け、森下に加えて、先制のソロ本塁打を放った21歳の村上宗隆(ヤクルト)や7回から8回先頭打者まで好リリーフを見せた23歳の伊藤大海(日ハム)の名前を挙げて、その活躍ぶりを報じている。 ワシントンポスト紙も、「寄せ集めでも魅力的な一団(米国)は、金メダルを追い求めわずかに及ばず」との見出しを取り、“寄せ集め”という言葉に米国代表がベストチームではなかったことを凝縮させた。 同紙は前々日のプレビュー記事でも「日本プロ野球や韓国プロ野球は2番目、3番目に優れたプロリーグとして世界で広く知られ、両リーグは五輪へトップ選手を派遣している一方、チームUSAのロスターは典型的にキャリアの初めか終わりを迎えるメジャーリーグの主流外の選手の混成となっている。トッド・フレイジャー、エドウィン・ジャクソン、スコット・カズミアーやデビッド・ロバートソンといった元MLBのオールスター選手がロスターに含まれているが、誰もこのチームをオールスターチームだと間違えることはないだろう」と皮肉っていた。 同紙が名前を出したフレイジャーは通算218本塁打をマークしている35歳。5年前にはホワイトソックスで40本塁打を放っているが、この日は、4タコに終わった。通算108勝で2007年のレイズ時代には最多奪三振タイトルを獲得している37歳のカズミアー、通算137セーブをマークしている36歳のロバートソン、37歳の14球団でプレーし通算107勝のジャクソンは決勝のマウンドに上がることはなかった。 米ヤフースポーツは、日本が決勝で米国に完封勝ちしたことを伝える記事の中で、ひとつのエピソードを紹介している。 「今週初め、日本代表の稲葉篤紀監督は彼の元チームメートに電話をかけた。米国や日本のファンは、この電話先の名前を聞いたことがあるだろう。大谷翔平だ。稲葉監督は、現役最後の2年間、二刀流選手(の大谷)が、この星で最高の野球リーグでプレーするためにエンゼルスと契約する前に共にプレーした。この日まで、彼らは連絡を取り合い、野球を愛するすべての人々のように稲葉監督も大谷のキャリアに魅せられ続けている」