【AI活用でマーケティングも】驚くほど増えるAI創作物、小説などでヒット作も続々?
適切な認知空間を立ち上げるために
ただ、人と人工物とが一体となった認知や作用の空間を考えるときに忘れてはならないのは、人がいてはじめて場が駆動するということです。 たとえばサーチエンジンで何でも探せるので何も勉強しないでよいと考える人がいるかもしれませんが、なにを検索語として打ち込むかは人に依存します。あるいは生成AIがあるので勉強しないでよいと考える人がいるかもしれませんが、プロンプトで何を入力するかは人に依存します。 人によって、どのような認知空間が立ち上がるかはまったく変わってきます。専門用語を知っていたらサーチエンジンや生成AIがよい結果を返せることだったとしても、専門用語を知らなければうまくいきません。適切な認知空間が立ち上がってきません。 また、そもそも検索結果や出力結果を解釈できなければ、それは認知空間が成立しているとはいえないでしょう。再度、検索語やプロンプトを入れて試行錯誤していくにも、人が起点となります。 大学に入ると、図書館やデータベースの使い方を習います。図書館やデータベースがあったとしても、使い方を知らないとうまくアクセスできず、認知空間を適切に立ち上がらせることができないからです。 また授業でさまざまな言葉や意味を知ることで、サーチエンジンに入れる言葉や生成AIに入れるプロンプトが変わってきます。 くわえて、学ぶ方法自体を学ぶことによって、次々と新しいことが出てくる変化の激しい社会に対応することができるようにしていきます。そのことで人工物に入力する語を変え、また場合によっては使う人工物を変えて対応することができます。 必要に応じた認知空間を立ち上げていくには、きちんとした教育が必要です。 ※6ソフトバンクニュース編集部(2023)「自作AIが評価したタイトルをもとに小説を執筆したら、大ヒットした件。 本業エンジニア、副業作家の社員が語るAIの可能性」『ソフトバンクニュース』2023年5月24日(2024年5月31日アクセス) ※7西田宗千佳(2023)「Netflixが「画像生成AIでアニメ制作」してわかったAIの限界」『Business Insider Japan』(2024年5月31日アクセス) ※8Khalil R, B. Godde , and A. A. Karim (2019) “The Link Between Creativity, Cognition, and Creative Drives and Underlying Neural Mechanisms. Front Neural Circuits” (accessed 2024-05-31) ※9Noy, S. and W. Zhang(2023) “Experimental Evidence on the Productivity Effects of Generative Artificial Intelligence” Science, 381(6654), 187-192
河島 茂生