トランプ氏、政府効率化担当にマスク氏-国防長官とCIA長官も指名
(ブルームバーグ): トランプ次期米大統領は12日、新たな国防長官にピート・ヘグセス氏、中央情報局(CIA)長官にジョン・ラトクリフ氏を起用すると発表した。最初の政権スタッフなどから熱烈な忠誠を誓う人材を選び、国防総省と情報機関のトップに据える。
ラトクリフ氏は1期目のトランプ政権で国家情報長官を務めた。保守系FOXニュースの番組ホストで、元陸軍州兵士官のヘグセス氏もトランプ氏への厚い忠誠心で知られる。いずれも上院の承認が必要になる。
伝統的に国防長官には、軍の指揮官や議員、政府当局者として数十年の経験を持つ人材が選ばれてきたが、慣例を破る異例の人事となる。トランプ氏はヘグセス氏について、「タフで賢く、米国第一主義の真の信奉者だ。わが国の軍は再び偉大になる」と声明で強調した。
パレスチナ自治区ガザでのイスラム組織ハマスとイスラエルとの戦闘、同国とレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラとの応酬が続き、ロシアとウクライナとの戦況打開も見通せない状況で、ヘグセス氏は米国防総省の最高責任者のポストを引き継ぐ。
軍事技術革新と核兵器の増強を推進し、米国にとって長期的な脅威となる中国への対抗も大きな課題だ。
ラトクリフ氏(59)は上院で承認されれば、トランプ氏が1期目で対立することも多かったCIAを率いる。国家安全保障上の脅威や中国、イランといった外国の敵対勢力への重点的な対応が期待される。
トランプ氏は最初の任期中、ロシアのプーチン大統領や北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記を含む敵対勢力の首脳を時に称賛する一方、米情報機関をソーシャルメディアでしばしば攻撃していた。
一方、ラトクリフ氏を巡っては、国家情報長官に最初に指名された際、司法省時代のテロと移民に関係する訴追手続きでの対応を上院共和党が問題視し、厳しい視線が注がれた経緯がある。
ヘグセス氏とラトクリフ氏以外で、トランプ次期政権の主要ポストへの起用が公表されたか、近いうちの発表が有力視される主な人々は次の通り。