ミストなのに肌に密着? ビオレUV「瞬感ミストUV」の日焼け止め革命
透明な液体なのに肌に密着。ビオレUVが生んだ革新的な技術
ースプレー製剤ではなくミスト製剤にすることで、新たに出てくる課題などはあったのでしょうか? 中谷: まず中身に粉が入っていると容器内で詰まるリスクがあるので、使用感を良くするために粉を配合しないことにしました。さらに、ミストにするためには低粘度である必要があります。 また容器を透明にするのであれば、中身の色も透明なほうがきれいに見えますし、「アクアリッチ」というブランドイメージとして「水」を想起させたいという考えがありました。
そこで、見た目は「水」のような低粘度で透明な液体でありながら、噴射するだけでしっかり防御力があるものを作っていこうと。シュッとすると肌上で広がりながらゲル化して肌にピタッと密着して、均一な塗膜ができるという技術ですね。ただこれを両立するのがすごく大変でした。 福井: 肌は凹凸があるので、製剤がシャバシャバなだけだと日焼け止めが肌の溝の部分にたまってしまって防御力が低下してしまうんです。 だから肌の出っ張っているところにも吸収剤などの防御する製剤を残すために、噴霧したあとに肌に密着させないといけないんですね。 日焼け止めをゲル化する技術はもともとあったのですが、透明ではなかったりシャバシャバではなかったりして。それらを両立させる技術を見つけるまでに2年くらいかかりました。
ー製剤以外の部分でのこだわりや譲れなかった点について教えてください。 中谷: 「お客様に満足してもらえる商品を作る」というところは絶対に譲れないので、1回買ったらいいやとなるような商品ではなく、癖になってもらえるような商品を作るということは最初から目標にしていました。 それからビオレとして、高い防御効果を保つという点も譲れませんでした。水っぽい使い心地でSPF20や30というものは比較的簡単に作れると思うのですが、SPF50を達成するというところにも時間がかかりましたね。 福井: お客様にはゲル化に気づかせないというのも重要でした。ゲル化したことがわかるくらいになるとベタベタして気持ち悪いんですよ。この辺りのバランスも難しかったですね。 中谷: しっかり膜を張っても膜感が強すぎると気持ち悪いし、さらさらしすぎてしまうと守られている安心感がなくなってしまうので、あえて少しだけ膜感が残るようにしています。