「机の上や筆箱の中が汚い子は学力が低い?」元中学教師が痛感した、整理整頓が成績に与える影響
こんにちは。片付けについて発信しているありママです。 中学校の教師として10年以上勤めたのですが、整理整頓と学力は密接に関わっていると感じました。もちろん例外もありますが、整理整頓が成績にもたらす効果というのは大きいです。まずは300人の先生からいただいたアンケートの結果をご紹介します。 【驚きのアンケート結果を見る】これが整理整頓が苦手な生徒のリアル!親が今すぐできる3つの対策とは?
小学校・中学校の先生が明かした、整理整頓が苦手な生徒のリアル
小学校・中学校の先生約300人からアンケートのご回答をいただきました。その結果、「整理整頓が苦手な生徒はクラスに3割以上いる」との答えが35%、「整理整頓ができない子は提出物をなかなか出さない」と答えた先生は86%にものぼりました。
なぜ、整理整頓と学力が関係あるのか?
(1)すぐに勉強ができないから時間のロス 整理整頓ができていない子はすぐに学習を始められません。まず必要なプリントや道具を探すところから始まります。授業で使うプリントが見つからず、授業開始から10分以上を無駄にする生徒もいます。学校で使う必要な道具を家に忘れてくることも多く、なかなか授業に集中して取り組めないこともしばしばです。 定期テストでは、必要な筆記用具を机上に準備するのですが、筆箱の中にもたくさんモノがあるので、必要なモノをすぐに準備できていない生徒は、「先生、消しゴム忘れた!」「シャーペンの芯、誰かちょうだい!」「コンパス忘れた!」などそんなことがよくありました。 その生徒の筆箱を一緒に探すのですが、必要のないペンがたくさん入っていたり、消しゴムのカスを集めて作った練り消しが入っていたり、分解された文具など……ほぼ全員が整理ができていない様子が見られました。高校受験のときは誰からも借りれないし、忘れてきたらアウトだということを生徒には伝えてきましたが、毎回テスト前になると「ないない」と慌てる生徒は必ずいました。 整理整頓ができていないとさまざまな面から時間のロスになり、損することも多いです。すぐに学習に集中できない、必要なときに必要なモノがない、提出物をしっかりと出せない……。整理整頓ができないと、これからの人生でもマイナスな影響が多いです。 (2)頭の中が整理されないから 実は、整理整頓ができていないけれど、学力が高い生徒も中にはいました。頭の中で整理ができるタイプです。今、何をするべきなのか優先順位を付けられて、そこだけに絞って集中できるお子さんです。机の上が散らかっていてもどこに何があるのか把握でき、たくさんのモノの中からでも効率良く必要なモノを取捨選択でき、すぐ学習に入れるタイプです。 ただ、本当に珍しいタイプなので多くはいません。ほとんどの生徒はモノがたくさんあると頭の中も整理できず、何からやればいいのか優先順位がつけられなくなります。 プリントが溜まりすぎると、提出物の期限もごちゃごちゃになり、どれを先にやればいいのか頭の中で整理できず、とりあえずで目の前にあるものから始めてしまい、優先順位が低いものをやっている場合もしばしばでした。 モノの整理=頭の中の整理にもつながるので、やはりほとんどの場合は整理整頓と成績はリンクしていると考えられます。 (3)誘惑に負ける 学習環境の中に誘惑となるものが入っていると、子どもは誘惑に負ける確率が高いです。スマホやタブレット、ゲーム機、漫画、お菓子など。特に中学生ではスマホを持っている生徒が大半で、机の上に置いて学習している子も多いです。しかし、学習中に着信がなると一気に集中力が途切れてしまいます。大人でもそうですが、少しだけ見るつもりでも何分も見てしまうことはありますよね。なので机の上は必要なモノだけを置き、学習と関係のないモノは置かない方がいいです。 また、私が勤めていた学校はぬいぐるみの筆箱が流行っていて、なんだか机の上が学習に集中できる環境ではないなと感じていました。キャラクターの文房具に、流行りの筆記用具……そちらに気を取られてしまうと学習に集中できませんよね。授業中に筆箱からくしと鏡を取り出し、髪をとかす生徒もいました。私はやはり学習するときは、集中力を切らすようなものを近くに置くと集中力が下がり、学力や成績にも影響していると感じました。 300人の先生からアンケートをいただいたときに、学校でも整理整頓をする時間を毎日つくっているという先生も多くいましたが、やはり大事なのは保護者の協力だという意見も多くありました。学習環境をつくったり、1人1人の細かいサポートができるのはやはり親しかいません。 学校や子どもだけではなかなかできない整理整頓。親ができることを考え、時間がない人は週に1回、子どもに声をかけて、整理整頓を心掛けてみませんか?
【Profile】ありママ(@arima1987_home)
7歳、5歳姉妹のママ。大学卒業後、東京都内の中学校教師を4年、地方の中学校教師として8年間の計12年間勤務。 出産後、子育てでモノが増え、一気に汚部屋の住人に。育休明け仕事復帰をしたが、モノの多さとタスクの多さに疲れ果てて、捨て活を開始。片付ける過程や片付けて気づいたことをインスタで発信、2023年退職し、フリーランスに。整理収納アドバイザー1級、クリンネスト1級取得。
with online