「夢だった」なでしこ指揮官就任…ニールセン新監督が考える“新生日本代表”のチーム作り
来年2月予定の初陣へ「その時点で準備ができている選手を選ぶ」
さらに、プレー内容について「いろいろなタイプの選手を選ぶことになる。同じタイプの選手を選ぶと、何か欠けているものが出る。1人1人、自分のいいスキルが何かを分かっていて発揮できるのが大切。もしヘディングが得意なら、どんな状況でも責任を持って自分がヘディングをするというのが私にとっていい選手。テクニカル、戦術にもいろいろなことができる選手をミックスする。若手のやりたい放題するクレイジーなところがある選手にも見どころがある」と話し、年齢層も含め多彩な選手を集める方針を明らかにしている。 日本人選手を見て感じる2つの良さが戦術理解力とパスサッカーへの理解だと話す指揮官は、「どうやって相手にボールを取られずに動かすかを理解しているとクラブの試合を見ていても思う。それは日本の育成プログラムが成功しているということだろう」として、伝統的な日本女子のスタイルに長所を見出していることを明らかにした。大方針として「自分がイニシアチブを取りに行くこと。相手が支配する前にこちらが支配する」と話したこともあり、より主体的なサッカーへとシフトしていくプランが垣間見える。 初陣は来年2月に予定されているシービリーブズ・カップになる見込みだ。WEリーグがウインターブレイク中であり、欧州はシーズン真っただ中、米国はリーグ戦の開幕前と、日本選手がプレーする主要な3地域で全く状況が異なる。それだけに「言えるのは、その時点で準備ができている選手を選ぶこと」として、「クラブ事情もあるので私が思う準備ができていない選手もいるだろう。今回に選ばなかったからと言って、永久に選ばないわけではない」と話す。それだけに、少し時間もかけながら新たな姿が見えていくことになるだろう。 昨年の女子W杯ではスペインを相手に快勝したようにカウンターがハマる試合もあったが、今夏のパリ五輪を見れば消極性に見える部分もあったことがJFAの中でも議論になったことを佐々木則夫女子委員長が明らかにしていた。代表チームを率いての国際経験があり、マンCの女子チームで世界最先端を知る指揮官に率いられたなでしこジャパンが、再び世界の頂点に返り咲くことができるのか。これから約3年半後のロス五輪を頂点としたサイクルでの成果が期待される。
轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada