ガス計画乱立のフィリピン、環境や漁業への悪影響懸念し、日本の金融機関に住民が支援中止要請
日本政府は経済産業省を中心に、「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」構想を進めている。同構想では、LNGやガス火力発電も「脱炭素化」への移行過程における選択肢とされ、官民挙げてのアジア諸国へのインフラ導入が進められようとしている。 しかし、フィリピンの事例を見ても、ガスエネルギープロジェクトの数はあまりにも多く、その進め方には危うさが漂う。石炭火力発電の代替で一時的にCO2 排出総量を抑制できたとしても、長期的には脱炭素化の足かせにもなりかねない。
国際協力銀への異議申し立て手続きの結果は6月末から7月初めにも判明するとみられる。フィリピンの地域社会の声にどう向き合うのか。
岡田 広行 :東洋経済 解説部コラムニスト