変幻自在の食材『ニンジャペースト』コンニャク技術で高級食材「ウニ」誕生!?ベンチャー開発のきっかけは「糖尿病のおばあちゃんの食事制限」
日本の伝統食材、こんにゃくから高級食材の「ウニ」が誕生する!?兵庫のベンチャー企業が挑む“世界の食を変える取り組み”。変幻自在の『ニンジャペースト』の開発現場を取材しました。 【写真で見る】ニンジャペーストを使って誕生した『ウニ』
兵庫のベンチャー企業が開発した『次世代食材』
6月、東京で開催された世界最大級の食の関連イベント「FOOMA JAPAN」。その一角にあるスタートアップのエリアで、健康志向を追い風にした次世代の食材が関心を集めていました。 (来場者)「おもしろくて、これイケると思いました」 (来場者)「すごく関心高くて、カロリーゼロや食物繊維ということで結構チャンスあるんじゃないかな」 それが『ニンジャペースト』。低糖質・低カロリーでいろんな食材の代用品になるといいます。 開発したのは兵庫県のベンチャー企業「シデカス」の寄玉昌宏さん(39)です。 (シデカス 寄玉昌宏さん)「カロリーとか糖質が全然ない、食品用の接着剤。例えばナッツバー。普通、ナッツを固めたお菓子は、水あめとか小麦とかチョコレートで固めるんですが、それらを使わずに食物繊維の力だけでナッツを固めている」 チョコレートなどの代わりに使うことで低カロリー。さらに夏場でも溶けずベタつきません。ほかにも唐揚げの衣やハンバーグのつなぎなど、さまざまな用途に活用できるといいます。
開発のきっかけは「糖尿病のおばあちゃん」
兵庫県宍粟市。山あいの食品工場でニンジャペーストは製造されています。その原料はコンニャクイモ。低糖質・低カロリーのワケは、ヘルシー食材として知られるコンニャクとほぼ同じ製法で作られているからです。 コンニャクと違うのは、例えば加熱して固める工程です。 (シデカス 寄玉昌宏さん)「めちゃくちゃ熱い温度で加熱すると普通にコンニャクができあがります。『おいしいのができました』という感じになる。(Qギリギリの温度で止めている?)そうそう、だから温度は(公開)ダメです」 お湯の温度を管理することで固まりきらないペースト状の特殊な性質を引き出します。“微妙な温度”は企業秘密です。 大企業を辞め30歳で会社を立ちあげた寄玉さん。ニンジャペーストを開発するきっかけになったのが… (シデカス 寄玉昌宏さん)「おばあちゃんが糖尿病で血糖値が高くて、甘いものがすごく好きだったんですけどなかなか食べられない。好きなものを食べるのは、それ自体が生きる活力になるのかなと思うので、それがないと楽しくなさそうだなとおばあちゃんを見ていて感じましたね」 食事制限があっても好きなものが食べられる世の中にしたい。そう願って日々、いろいろな食材への活用方法を探ります。