第162回芥川賞受賞会見(全文)古川真人さん「何でこうなっちゃったんだろう」
ゲームの実況動画は見るか?
ニコニコ動画:ニコニコ動画の【タカハタ 00:12:27】と申します。今回はご受賞おめでとうございます。最初にお聞きしたいんですけれども、ニコニコ動画、知っていますでしょうか。 古川:はい。 ニコニコ動画:ありがとうございます。では、ユーザーの方からの質問を代わりに読み上げさせていただきます。東京都20代男性のユーザーの方からの質問です。「デビュー作からずっと読んでいます。古川さんの人となりを知りたくて、新潮新人賞のお三方の鼎談を読みましたが、なかなか破滅的な青春を過ごされてきたのだと知り、作風とのギャップを感じて非常に興味を持ちました。鼎談の中では文学の鬼と呼ばれていましたが、例えばゲームの実況動画を見るなど、インターネットで暇つぶしをすることはありますか」。 古川:実況動画は見ないです。 ニコニコ動画:もう1つ続けて。「九州サーガは今回の受賞で一段落し、若者がメインの青春小説をお書きになる予定はありますか」というのが続けて質問です。 古川:すいません、ちょっと聞いてませんでした。 ニコニコ動画:「若者がメインの青春小説をお書きになる予定はありますか」という質問です。 古川:まだ分からないでおります。 司会:ありがとうございます。ではその後ろの方。お願いいたします。
受賞した今の気持ちは?
朝日新聞:朝日新聞の興野と申します。このたびは受賞おめでとうございます。以前お話を伺った際に、文学賞というものについて、芥川賞について、取りたくはないんだけれども取らなきゃいけない関門だというふうに表現されていたと思うんですが、実際、受賞されてみて、そのお気持ちといいますか、考え方というのはどうなりましたでしょうか。 古川:そのときは確かあれですよね、年末の事前取材のときにそういうことを僕、言ったと思うんですけど、ずっと落ちてるもんですから、そんなもんだろうみたいな感じでちょっとなめて言ってたんですけど、いざ取ると、やっぱり、まじかよっていうか、困ったなっていう。さっきと結局、答えは同じで、取ったら取ったで、取らなきゃいけないものだなとか言ってましたけど、いざ取ってみると、あわあわしてるというのが正直な気持ちです。 司会:ありがとうございました。その前の眼鏡の。もう1個後ろの方です。