42歳で乳がん宣告された私。抗がん剤で抜けた髪が生えてきてギョッ!鏡を見るとそこにいたのは
2016年、42歳のクリスマスイブに突如乳がん宣告。(ステージⅡB)。晴天の霹靂だった「がん宣告」から約1年間、泣いたり笑ったり怒涛の日々を駆け抜けた、私のがん治療ドキュメンタリーを連載でお届けしています。 【画像】やせ細ってメンタル最悪、うまく笑えなかった時期の筆者 ※治療方針や、医師や看護師の発言は筆者の病状等を踏まえてのものであり、すべての患者さんに当てはまるものではありません。また、薬の副作用には個人差があります。
治療中は「おじいさん」のような外見に
ある日突然の乳がん発覚から1年。ついにすべての治療を終えました。手術までの病院探し、治療法の模索、手術、抗がん剤治療、放射線治療。 手術後に診断された最終的なステージはⅡB。リンパ転移があったため、抗がん剤と放射線。トリプルネガティブタイプの乳がんはホルモン治療が効かないため、今回の乳がんに対する治療はこれで全てです。 治療中には、私生活でいろいろなトラブルがあって精神的にもやられ、食欲もうせて激やせし、乳がん発見時の体重から10キロ近く落ちていました。 当時のわたしは、はた目から見てもよほどひどい状態だったのだろうと思います。覇気もなく、何をするときも目はうつろ。ある日、スーパーで長い間会っていなかったママ友とばったり。声をかけられましたが、わたしがあまりに不健康そうだったのでしょう、話もそこそこに「じゃあね」と足早に去っていきました。 頬もこけて、お化粧をする気も起こらない。さらに抗がん剤で髪はない。眉毛もまつ毛も薄くなり、顔はのっぺらぼうみたい。顔色も悪く、家にいるわたしはおばさんというよりは「おじいさん」でした。
治療を終えて生えてきた髪にびっくり!
ですが抗がん剤治療を終えて少し経つと、まったくなかった髪の毛が少し生えてきました。坊主頭にしたことはないですが、短い髪って伸びるのがすごく早く感じます。あっという間に5分刈りのようになったわたしの髪型。以前は白髪染めをしていたので自分の白髪量を知りませんでしたが、生えてきたら白髪ばかりで、それはもうひどいありさまでした……。 ある日、洗面所の鏡をのぞき込んでギョッとしました。そこにいたのは老いた父にそっくりのわたし。痩せこけて、白髪の五分刈り。自分の姿から「女性らしさ」みたいなものがまったく感じられませんでした。 そんな姿にゾゾっと背筋が寒くなり「このままじゃいかん」とその足でドラッグストアに走り、白髪染めをゲット。長い髪だと自分で染めるのは手間がかかりますが、五分刈りなのでざっと塗れば仕上がる。今すぐに染めようとお風呂を沸かし、洗面所で白髪染めを塗りたくりました。 ばっちり髪を染め上げたお風呂上がりのわたしは、さっきの「老いた父」状態よりもずいぶんいい感じに見えました。お風呂上がりで少し顔色が良くなったせいもあるかもしれません。白髪がなくなった自分を鏡で見て「あっ、生き返った」と思いました。 自分でも予想しないほどに「ふわっ」といい気分が心の底から持ち上がってくるのを感じたのです。毎日鏡で不健康そうな自分を見るたび「もうどうでもいいや」とおしゃれをする気さえ失せていたわたしですが、この日を機に、もう少しおしゃれしたいなと思うようになりました。