「人間は劣った存在」アドラー心理学の本質がわかる5つの言葉
「動く」からこそ心をもつ
「心・精神」は、動くことができ、生きている有機体にだけ存在する。「心・精神」は、「自由に動くことができること」と密接に関係しているのだ。 深く根を下ろしている植物には、感情や思考は存在しえない。植物は、「動くことはできないのに苦痛が訪れることがわかる」とか、「苦しい事態を予測できるのに、その事態から身を守ることができない」とか、「理性や自由意志をもっているのに、この理性や意志を使ってはいけない」などといったことはない。 「心・精神」と「自由に動くことができること」には関連があるので、心・精神が「ない」植物と「ある」動物とをはっきりと区別することができる。 『人間知の心理学』より
人間は「完成・完全」を目指して努力する
アドラー心理学は、「人間の進化」を抜きには考えられない。人間は他の動物と比べて進化という点では著しいものがある。それを支えたのは、不完全で弱いからこそ「完成・完全を目指して努力する」という人間の行動だ。 「生き延びよう」と渇望する人間の欲求と、「完成・完全を目指して努力する」ことはしっかりと結びついている。だから私たち人間の言動は、いつもマイナスの状況からプラスの状況になることを目指すようにできている。 『生きる意味を求めて』より
人間は赤ちゃんの頃から絶えず成長しようと努力する
精神は、「動く」からこそ存在し、「目的」を目指して努力するようにできている。人間というものは、本当に小さい赤ちゃんの頃から、絶えず成長しようと努力するものだ。 「目的」とは、「完全であろうとすること」「優れていようとすること」「理想に近づこうとすること」といっていい。この目的や努力は、人間独自の能力である「思考」と「想像力」を駆使して、一生ずっと私たちの行動すべてに関わり続ける。 『子どもの教育』より
アルフレッド・アドラー(心理学者),岩井俊憲(訳)