駅名とテーマソングで知名度抜群「東武動物公園」どんなところ? 広大な「ハイブリッド・レジャーランド」の裏側
もともとは沼地だったらしく水辺も多く、そこではスワンボートなども楽しめる。子ども向け、0歳から楽しめるアトラクションも用意されている。そんな中、鈴木さんがすすめるのはやはりローラーコースター。 「水上木製コースターの『レジーナⅡ(ドゥーエ)』は、以前あったレジーナをリニューアルして2023年3月にオープンしました。それにあわせて世界観も「スチームパンク」に統一。ガタガタした木製ならではの乗り心地が楽しいですよ。ちなみに、レジーナⅡのメーカーはグレート・コースターズ・インターナショナル。アメリカのコースターメーカーで、日本国内では初めての採用例です」(鈴木さん)
■コースターを乗り比べられる 東側のゲートからも見える、木で組まれた走路の足場。所要時間は3分ほどで、最高速度は時速90kmに達するという。木の軋む音もスリルを加速する、東武動物公園の目玉の1つだ。 ちなみに、もう1つのコースターは「カワセミ」という。こちらは木製ではなく鉄製のコースター。鈴木さんによれば、カワセミとレジーナⅡは乗り心地からしてまったく違うのだとか。だから、2つのコースターを乗り比べて楽しむお客も少なくないそうだ。
そして、今回は特別に「カワセミ」の車両点検の様子も見せてもらうことができた。車両は2編成あり、毎日交互に運転される。運転されない車両が点検中、というわけだ。 教えてくれたのは、コースターの整備担当、松本真和さんと吉川祐希さん。 「鉄のレールを3方向から車輪で挟み込んで走る仕組みで、点検では車輪の機構がスムーズに動くかといったことや、座席の安全装置がきちんとロックされるかなどのチェックをしています。点検ピットではレールの一部を外すことができるようになっています」(松本さん)
■担当者が語る整備の裏側 一般的にローラーコースターは、最初に高いところまで引き上げたあとは、自然に落下するエネルギーだけで最後まで走り抜ける。車体側にモーターなどは一切使われていないのだ。そのため、構造はある意味でシンプル。レールを挟み込む車輪機構がいわば心臓部、ということになる。 「気温によって車輪のベアリングの状態が変わるため、真冬は真夏より運転時間が7秒長くかかります。なので季節によって抵抗を調整をしています。こればかりは経験値がものを言う仕事ですが、ピットで点検しながら、お客さまがワーワー、キャーキャー言って乗ってくれているのを見るとうれしいですね」(松本さん)