鍵を握るのは“北極”!海洋問題のグローバルリーダーに聞く「海を守るために大事なコト」
海の豊かさをまもり、次世代へとつなげるための「The BLUEKEEPERS project」。今回は、海洋問題に関する取り組みを多角的にリードする角南 篤・笹川平和財団理事長が登場。 【写真11点】「海洋問題のグローバルリーダーに聞く、豊かな海を守る大事なコト。鍵を握るのは“北極”」を写真でチェック 角南さんが今、最も力を入れているのは「北極の問題」。地球規模で見る海洋問題の現状と最新トピックを、OCEANS SDGsコンテンツアドバイザー・井植美奈子さんとともに聞いた。
話を聞いたのはこの2人
井植美奈子さん ディビッド・ロックフェラーJr.が米国で設立した海洋環境保護NGO[Sailors for the Sea]のアフィリエイトとして独立した日本法人「一般社団法人セイラーズフォーザシー日本支局」を設立。水産資源の持続可能な消費をめざす「ブルーシーフードガイド」、マリンスポーツの環境基準「クリーンレガッタ」等のプログラムの開発と運営を手掛ける。京都大学博士(地球環境学)・東京大学大気海洋研究所 特任研究員。総合地球環境学研究所 特任准教授。OCEANS SDGsコンテンツアドバイザー。
角南 篤さん 1988年、ジョージタウン大学School of Foreign Service卒業、89年株式会社野村総合研究所政策研究部研究員、92年コロンビア大学国際関係・行政大学院Reader、93年同大学国際関係学修士、97年英サセックス大学科学政策研究所(SPRU)TAGSフェロー、2001年コロンビア大学政治学博士号(Ph.D.)取得。2001年から2003年まで独立行政法人経済産業研究所フェロー。2003年政策研究大学院大学助教授、2014年教授、学長補佐、2015-2018年内閣府参与(科学技術・イノベーション政策担当)、2016年副学長、2019年学長特別補佐、2020年SciREXセンター長、公益財団法人笹川平和財団理事長。
ふたりの出会いは「太平洋・島サミット」
井植美奈子(以下、井植) 角南さんは、海洋問題の解決において本当に万能選手ですよね。国際的なパートナーシップを、まるで1人国連のような手腕で推進しています。最初にお会いしたのは、PALM8(2018年5月に福島県いわき市で開催された第8回太平洋・島サミット)のカンファレンスでした。 角南篤(以下、角南) そうでしたね。PALM8の各国首脳配偶者プログラムに、パネリストとして参加させていただきました。当時の安倍首相の配偶者、安倍昭恵さんが海洋問題にご熱心ということで、海洋環境に関わる各国有力者の配偶者を集めたサミットでした。 井植さんはそのシンポジウムのモデレーターで、いきなり私のことを「I LOVE YOUの専門家」だと紹介しましたよね。そんなふうに人前で紹介されたことはなかったので、非常に驚いたのを覚えています。