タンパク質とビタミンだけじゃない! 医師が伝えたい「成長期の子に欠かせない5大栄養素」
押さえたい5つのキホン栄養素【3】 成長を支える骨や脳に働きかける「ビタミンD」
ビタミンDには様々なはたらきがありますが、最も重要なのは骨を丈夫にすることです。腸の中でカルシウムが吸収されるのを助け、骨を造るサポートをしています。 その他、メンタルのバランスを保つのに大切な幸せホルモン(セロトニン・オキシトシン)造りをサポートすることと、腸管粘膜を強くし免疫力を高めるはたらきがあります。 アトピー性皮膚炎や花粉症は傷ついた腸管粘膜から原因となる物質が体内に入り込み抗体を造ることで症状を引き起こします。ビタミンDには腸粘膜を強くするはたらきがあるので原因物質の侵入を防ぐことができるわけです。 そもそも、ビタミンDは赤ちゃんがお腹の中にいる時や母乳を通してお母さんからもらい受ける栄養素です。また、日光浴などで紫外線を浴びることで、人間が自ら造り出すことができるビタミンでもあります。 しかし、紫外線によるダメージを気遣い日焼け止めを常用する習慣でお母さんが本来持っているビタミンDも昔よりも減っており、受け継ぐ量も減っていると考えられます。さらに、戸外で遊ぶ機会が減り日光を浴びる時間も減少傾向、自ら造り出すことも難しい状況です。食事から摂取しにくい栄養素のため天然由来型のサプリメントを活用して上手に補ってあげてください。
押さえたい5つのキホン栄養素【4】「鉄」が不足すると体が酸欠になる
鉄は、からだの隅々まで血中の酸素を運搬するヘモグロビンの材料です。鉄が不足するとヘモグロビンが十分に造られず運べる酸素の量が減るため、からだや脳で酸素不足が起こります。 小児頭痛の要因に脳内の酸欠があります。脳に十分酸素が運ばれずに酸欠状態になると、酸欠を防ごうと脳内の血管を広げて大量の酸素を送ろうとします。この血管を広げるときに起きる痛みこそが頭痛です。また、貧血の立ちくらみやめまい、息切れといった症状も、からだが酸欠状態になることで起きると考えられています。その他、骨や筋肉、脳、皮膚のコラーゲンも、鉄を材料にして造られています。 生命活動に欠かせない、からだ中に酸素を届けるはたらきのあるヘモグロビンを造ることが優先されるため皮膚造りはあと回しになってしまいます。ですから丈夫な皮膚造りのためにも、しっかり鉄を摂ることが大事です。