タンパク質とビタミンだけじゃない! 医師が伝えたい「成長期の子に欠かせない5大栄養素」
成長による体の変化と不足しがちな栄養素【女児の場合】
一般的に9歳~14歳頃が成長期と言われています。個人差はありますが11歳ごろ身長の伸びのピークを迎え、早い子で10歳頃から、通常だと12歳から14歳頃を目安に初潮を迎えます。女性ホルモンの影響でからだ全体が丸みを帯び女性らしい体型になるのが特徴です。 9歳から12歳ごろは身長が伸びるために必要な骨や筋肉、そして脳を作るための材料、タンパク質、ビタミンB群、ビタミンD、鉄をしっかり摂取して欲しいです。さらに、初潮を迎える12歳後半頃からは鉄の喪失が著しいため、鉄の補充が最も重要となります。 また、主食や間食による糖質過多に注意してください。糖質過多になると正常な脳の発達に重要なメンタルホルモンの調整役であるビタミンBを大量に消費し不足させます。すると、メンタルホルモンがバランスを崩し精神的な不調を引き起こす要因となります。甘いお菓子やジュースの取りすぎに注意しましょう。
成長による体の変化と不足しがちな栄養素【男児の場合】
女児よりもやや遅めの10歳から14歳の間に成長期を迎えます。変化が始まる時期や変化のスピードには個人差が見られ、一般的には12歳ごろから急激に身長が伸び始め、筋肉量の増加が顕著で、たくましく男性らしい体格に変化するのが特徴です。 9歳から成長期の間はずっと、脳の正常な発達にビタミンDの摂取は欠かせません。ビタミンD不足により頭痛や起立性調節障害、朝起きられないなどの症状が出ることがあります。(※1)(※2) さらに、12歳~14歳では急速に身長が伸びること、筋力量が増え体格が大きくなることから、骨や筋肉を作る材料のタンパク質、鉄、ビタミンBが不足しがちです。十分補充して欲しい栄養素です。特に鉄不足が、男児の慢性の頭痛の原因となっていることが多いです。 (※1)Vitamin D Supplementation Improves Autonomic Response To Head Up Tilt In Adolescents Suffering From Orthostatic Intolerance Hypertension. 2020;76:AP198 (※2)The Vitamin D Role in Preventing Primary Headache in Adult and Pediatric Population J. Clin. Med. 2021, 10(24), 5983 また、男児、女児ともに成長期は脳の発達が目覚ましい時期でもあります。脳の発達に重要な栄養素、タンパク質、脂質、鉄、DHA、ミネラルの補充も意識的に行うと良いでしょう。