性被害訴える女性検事が語った苦悩「気持ちも身体も完全に凍りついた」 大阪地検・元検事正の被告が一転、無罪主張【報道特集】
これまで最高検察庁の刑事部長など主要ポストを歴任し、大阪地検の検事正に就任後は、犯罪被害者の支援を強化する枠組みを打ち出すなど、組織改革にも取り組んできた。 親しみやすい性格で職員からも慕われていたというが、厳しい一面もあったとAさんは振り返る。 被害を訴える 検事Aさん 「仕事も十分にできなかったときは『この窓から飛び降りろ』とか『顔を見たくないので部屋に入って来るな』と言われた。それが自分の仕事に対する指導だと思って受け止めた」 これまで、性犯罪や虐待など大阪府警の捜査一課が担う凶悪事件を、数多く手がけてきたAさん。 検事としての北川被告に“畏敬の念”を抱き、職務に邁進してきたという自負がある。 ■“検事正の就任祝い”を兼ねた懇親会後、官舎へ「気持ちも身体も完全に凍りついた」 事件が起きたのは、2018年9月。 検察側の冒頭陳述などによると、“検事正の就任祝い”を兼ねて開かれた懇親会で泥酔したAさんを、北川被告がタクシーに押し込み、自らの官舎に連れて行ったとされている。 意識を取り戻したときには、既に性加害が始まっていたとAさんは話す。 被害を訴える 検事Aさん 「自分の意識が徐々に覚めていく感じだったんです。全く頭も起こせない、物理的に本当に動けない状態。検察庁での親として思っていた方で、尊敬・畏敬の念を持っていた検事正が、裸で私に対してレイプをしているという現実が全く入ってこなくて。恐怖と『どうしたらいいんだろう』という気持ちも身体も完全に凍りついてしまった」 そのとき、目に飛び込んできたのはー。 被害を訴える検事 Aさん 「押し入れが開いてたんです。押し入れに物があまりなかったんです。それを自分が見ているなかで、私が殺されて、押し入れに死体を隠されてどこかに捨てられるんじゃないかって」 突如、Aさんを支配した“死”への恐怖。 意を決し「夫が心配しているので帰りたい」と伝えたが、性加害は続き「これでお前も俺の女だ」と告げられたという。