「生野菜よりも、冷凍野菜のほうが健康的」...ほうれん草、ブロッコリー、えんどう豆など「栄養・価格・食品ロス」を専門家が語る
<冷凍食品は体に悪いというイメージがあるが、すべてがそうではないと専門家が指摘する>
冷凍食品売り場に並ぶピザやチキンナゲットは健康的な食品として知られているわけではない。しかし、冷凍野菜は生野菜よりも健康によい可能性がある...。そう語るのは栄養療法士(食事療法の専門家)のミレーナ・マストロイアーニ氏だ。 【実験動画】生野菜と冷凍野菜の栄養価、どちらが高い結果に? 「冷凍野菜は収穫されてすぐに冷凍されることが多いため、最も栄養が豊富な状態を保っています。そのため収穫後に長い時間で輸送や保存されることの多い、店頭に並ぶ生鮮野菜よりも多くの栄養素を保持するなど、実際には優れた選択肢なのです」 同じく栄養療法士のアンナ・アーリー氏も同意見で「一般的に冷凍野菜は栄養成分と抗酸化レベルを保持していますが、生鮮野菜は時間の経過とともにこれらの成分が減少します」と述べる。 畑で熟成する時間が長く、野菜は土壌からビタミンやミネラルなどの有益な成分を吸収する時間が多い。冷凍野菜は収穫時ギリギリまで長く畑にあるため、収穫時の栄養価が高くなる特徴がある。 一方で、生鮮食品として販売される生野菜は一般的に早めに収穫され、輸送中や店頭で熟成する。そのため土壌から栄養を吸収する時間が少なくなるのだ。 また、冷凍することによって、本来失われるはずだった栄養素を保存できる利点もあるとマストロイアーニ氏は次のように述べる。 「冷凍野菜の中で最もよい選択肢としては、ほうれん草、いんげん、ブロッコリーなどの緑の野菜です。これらの野菜は栄養を失いやすいからです。 たとえば、ビタミンCは収穫後すぐに失われますが、ブロッコリーは冷凍することでビタミンCをすべて保持します。高温、または常温で保存すると7日以内に56%までビタミンCは失われてしまうのです」 アーリー氏のおススメの冷凍野菜はエンドウ豆であるとして次のように述べる。 「冷凍エンドウ豆は収穫後すぐに冷凍保存されるため、栄養を失うことがありません」 冷凍野菜を勧める理由は栄養面だけでなく、その利便性もあるという。 「すべての時間を野菜のカットや皮むきに費やす必要はありません。冷凍野菜をひとつまみ食事に加えるだけで栄養価を高め、野菜の量を増やせます。特に冷凍ほうれん草を加えるだけで、食事の栄養価を簡単に高めることができます」 ほうれん草、いんげん豆、そら豆はすばやく炒めたり、蒸すことができること。また、えんどう豆やスイートコーンのような定番野菜は解凍も早いことが利点に挙げられるという。 さらに冷凍野菜は旬の時期に収穫されることが多いため、価格を抑えた形で野菜を摂ることができること。そして必要分だけを使用することができることができるため、冷蔵庫の中で痛んでしまったからといって廃棄することがなく、食品ロスを減らせる利点もあるという。
ハッティ・ウィルモス