ラーメン外食費が2年連続日本一の「山形市」。ラーメンが深く愛される街には、老舗へのリスペクトが深く根付いている
■「ラーメン王国」の山形県、その中心・山形市はラーメン外食費「日本一」 総務省が2月に発表した家計調査で、昨年の山形市のラーメン外食費が1万7593円となり、前年に続き「ラーメン日本一」の座を勝ち取った。これは全国の都道府県庁所在地・政令指定都市の外食の消費額を調査したものである。 【その他の画像も多数】山形の絶品ラーメンはこんな感じ 山形市は、記録の始まった2000年以降では最高額を叩き出した。ちなみに2位は新潟市、3位仙台市、4位宇都宮市と続く。
ラーメンといえば東京をはじめ、札幌や博多を思い浮かべる人が多いと思うが、なぜ山形市が日本一に輝き続けるのか。その裏には市民のラーメンへの思いと、ラーメン店の努力があった。 「山形市にはこれといったご当地ラーメンがありません。氷の入った冷たい“冷やしラーメン”がありますが、ダシのとり方も鶏・豚・牛などお店によってそれぞれ。いろいろあるのが山形市のいいところだと思います。 調査が都道府県庁所在地・政令指定都市に限られているので山形市が1位になっていますが、他のエリアもおらが町が一番だと思っていると思います。山形県は本当に『ラーメン王国』なんです」
そう語るのは「新旬屋 本店」「極中華蕎麦 ひろた」などを展開する店主・半田新也さん。今回はそんな半田さんの声がけで、山形市で今勢いのあるラーメン店の店主に集まってもらい、それぞれの思いを語ってもらった。 ■メディアが盛り上げたことで火がついた JR山形駅前にあるつけ麺の名店「麺藤田」。店主の藤田俊彦さんは山形出身で、フランス料理シェフからラーメン職人に転身。目黒の有名店「づゅる麺 池田」で修行ののち、2010年に「麺藤田」をオープンした。
「かつては山形が『ラーメン王国』という意識はありませんでしたが、昔からラーメンは当たり前の存在でした。むしろ山形を離れてから、山形がラーメン県だと騒がれていることを知ったぐらいです」(藤田店主) 「麺藤田」は山形でも珍しい“つけ麺”をメインに据えたお店。創業当初はつけ麺自体が「なんだそれ?」状態だったという。 「つけ麺をメインで出していましたが、中華そばから売り切れていく毎日でした。中華そばが売り切れると『ラーメンないの?』『ラーメン屋なのにラーメンがない店ってどうなの?』と言われ、山形ではこれほどまでにラーメンばかりが愛されているのかと驚きました」(藤田店主)