米テロ事件で注目の「個人間カーシェア」Turo、年間350万人が利用中
米ニューオーリンズで1月1日に15人を死亡させたテロ事件に用いられたフォードの車両と、同じ日にラスベガスのトランプホテルの外で爆発したテスラのサイバートラックの両方は、個人間のカーシェアサービスであるTuro(トゥーロ)を通じて貸し出された車両だったことが明るみに出た。 2009年8月にRelayRidesとして設立されたTuroは、特定の車種やモデルをそのオーナーから直接レンタルできるサービスとして知られている。アルファベットのベンチャーキャピタル部門などの出資を受ける同社は、2015年11月に4700万ドル(約74億円)を調達し、累計1億100万ドル(約159億円)の資金を確保した際に、現在のTuroにブランド名を変更していた。 Turoの顧客は、18歳以上で運転免許証や自宅住所、クレジットカードまたはデビットカード情報を提出する必要があるが、アカウントの確認のために信用履歴や犯罪歴などの追加情報が求められる場合もあるとされる。 同社は2022年に新規株式公開(IPO)を申請し、直近では2024年8月にその申請を修正したが、IPOの予定日をまだ明らかにしていない。 Turoの声明によると、今回の2件の事件に絡む利用者に「セキュリティ上の脅威」として特定されるような犯罪歴はなく、同社は、これらの事件に関連する情報を把握していないという。また、同社は両事件の捜査で法執行機関と「積極的に連携」していると述べている。ニューオーリンズで群衆に突っ込んだフォードのピックアップトラックの所有者は、ニューヨーク・タイムズ紙に対し、Turoを通じてこれまで5台の車を貸し出していたが、自分の車が事件に使用された後、「このアプリを再び使用するつもりはない」と語った。 「当社は、信頼度の高いマーケットプレイスを育成することに専念しており、世界クラスの信頼と安全性のためのテクノロジーと、法執行機関での経験もある専門家を含むチームによって、リスク管理における最高の基準を維持することにコミットしています」と、Turoは声明で述べた。 1日にニューオーリンズのバーボンストリートで発生したテロ事件では、15人が死亡し、35人が負傷した。米国市民で南部テキサス州の退役軍人であるシャムスディン・ジャバール容疑者は、米連邦捜査局(FBI)によると、車両にイスラム国(ISIS)の旗を掲げ、追加の武器や爆発装置を所持していたとされる。