砂糖を減らす驚きのメリット、肌の健康から認知機能の改善まで、数日でも効果あり
一時的に減らすだけでも得られるメリット
恩恵を最大限に得るには、糖類の摂取を完全に、あるいは長期にわたってやめたり、減らしたりする必要があるが、一時的に摂取量を抑えるだけでも体にいい効果がある。 「ある小規模な研究では、脂肪肝を患う10代の少年たちが、糖類の少ない食事をわずか8週間続けただけで、肝臓の健康状態が改善したことが示されています」とゼラツキー氏は言う。 添加糖類を減らすと、2型糖尿病のリスクを「急速に」低下させることがわかっていると、米ハーバード大学公衆衛生大学院の疫学・栄養学教授ウォルター・ウィレット氏は言う。「数カ月や数年ではなく、数日から数週間で改善する可能性があるのです」 試験の前に糖類の摂取を制限すると、思考をクリアにするうえで役立つかもしれない。添加糖類は認知機能を妨げるという証拠があるほか、記憶に関わる脳内の受容体を阻害する可能性があることを示す研究もあるからだ。 添加糖類の摂取を短期的にでも減らすと、血糖値の急降下を避け、糖類への全般的な渇望を減らし、「活力を維持しつつ、健康的な習慣を長期的に保ちやすくします」と、グッドソン氏は言う。
糖類の摂取を抑えるためのヒント
糖類を減らす恩恵を得るには、まず自分が何から過剰な添加糖類を取っているのかを把握することから始めるとよい。 「何より重要なステップは、糖類で甘く味付けされたソフトドリンクなどの飲料をやめるか、ごくたまにしか飲まないことです」と、ウィレット氏は言う。100ミリリットルのコカ・コーラには添加糖類が約11グラム含まれており、500ミリリットルも飲めばFDAが推奨する1日の総摂取量の上限を超える。 食品ラベルで糖類の量を確認する習慣をつけたり、多くの人が1回の食事で1人前以上の分量を食べているという事実を意識したりすることも重要だと、メッサー氏は指摘する。 氏はまた、料理に使う砂糖の量を徐々に減らしたり、砂糖をシナモン、ナツメグ、バニラ、アーモンドエキスなどのスパイスに置き換えたりすることを勧めている。「そうすれば、砂糖を使わずに風味を加えることができます」 グッドソン氏もこれに同意する。「糖類の摂取量を少しずつ、継続的に減らすことで、気分がよくなり、活力が増し、短期的にも長期的にも健康が向上するでしょう」
文=Daryl Austin/訳=北村京子