日本の宇宙開発で失敗相次ぐ、技術力と信頼性に揺らぎ 「イプシロンS」の爆発事故
開発中の小型固体燃料ロケット「イプシロンS」用の2段目エンジンの燃焼試験が26日、爆発事故で失敗した。日本の宇宙開発は近年、失敗や事故が相次いでいる。 【写真】秋田県の能代ロケット実験場で爆発した「イプシロンS」 ロケット関連では令和4年10月、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられた同「イプシロン」6号機が、飛行中に姿勢が制御できなくなり、地上から自爆する信号を送る指令破壊で爆破された。 昨年3月には、鹿児島県南種子町から打ち上げられた次世代主力ロケット「H3」初号機が、第2段エンジンに着火せず指令破壊。さらに同7月、秋田県能代市の能代ロケット実験場で燃焼試験を行っていた、開発中の「イプシロンS」の2段目エンジンが爆発する事故が起きている。今回は事故を受けた再試験で、万全の態勢で臨んだはずだった。 ロケット以外では令和4年11月、日本初の月面着陸を目指して米国の大型ロケットで打ち上げられた超小型探査機「オモテナシ」が、ロケットからの分離直後、正常な姿勢がとれなくなり、月面への着陸を断念している。 日本の宇宙開発はかつて、小惑星で試料を採取し帰還した探査機「はやぶさ」「はやぶさ2」の偉業など、技術力の高さと信頼性が強みだった。だが、相次ぐ打ち上げ失敗や事故により、その強みが揺らぎつつある。