帰省を断れる“コロナ免罪符”はもうない…義実家に行きたくない妻たちの生々しい「帰省ブルー」事情
年末年始が近づき、帰省の計画を立てている人も多いことでしょう。帰省といえば、毎年この時期になると「義実家への帰省問題」に悩む女性が少なくありません。そうした人の中には、コロナ禍の最中に「帰省が取りやめになって、実はうれしかった」「憂鬱だった帰省を断ることができて最高だった」など、思わぬ恩恵を受けていた人もいるのではないでしょうか。 【トップ10】「えっ…生々しい…!」 これが、既婚女性が明かした「旦那を嫌いになったきっかけ」上位10個です! コロナ禍が終息し、“コロナ免罪符”がなくなってしまった今、ひととき「帰省ブルー」から解放されていた妻たちは何を思うのか――。「恋人・夫婦仲相談所」所長の三松真由美さんが実際に聞いた、生々しい「帰省ブルー」エピソードをご紹介します。
「昭和の命令男」が大の苦手
裕美さん(39歳、仮名)の義両親は岩手県に住んでいます。裕美さん一家は神奈川県在住です。 コロナ禍のとき、恒例の帰省を断ることになって、裕美さんは内心、喜んでいました。それまでは幼い子どもの顔を見せに、年末と夏休みは必ず、義両親の家に行っていました。一方、裕美さんの両親は同じ神奈川県内に住んでいるので、何かにつけて顔を出せます。よって、少し罪悪感もあり、年に2回の帰省は恒例行事でした。 裕美さんは、義母とは仲がいいのですが、義父が大の苦手です。というのも、義父はとても神経質。義母と裕美さんが仲良くおしゃべりしていると「その言葉の使い方はおかしい」とか、「日本人らしく、◯◯しなさい」などと命令するタイプです。しかも、命令するときは大声を出すので、みんなが萎縮します。 そんな義父を、義母は面倒くさがっています。裕美さんに「気にしなくていいからね」と言ってくれていましたが、やはり、長年一緒に暮らすのはつらかったそうです。「昭和の命令男にずっと耐えてきたんだな」と気の毒になってくるほど、現代なら、モラハラ夫の領域に入っているように思えます。 コロナ禍以降、義母とはオンライン通話をして、子どもの顔を見せていました。義父はただでさえ神経質なのに、コロナが原因でますます神経質になってしまったようで、コロナ真っ只中の当時は外出が減り、テレビばかり見ていたといいます。孫の顔をオンラインで見せても笑うことなく、すぐに会話をやめてしまい、子どもも「じいちゃん、怖い顔」と言い出す始末です。 2021年の年末年始、コロナにかこつけて、今年も当然「帰省しないで済む」と思っていた裕美さん。ところが、義母が「父さん、老人性うつじゃないかね。前よりずっと気難しくなって」と電話で伝えてきました。義父を元気づけるためにも帰ってきてほしいと願う義母に、夫も「父親が心配だから帰省したい」と言い出します。 そんな状態の義父と数日間一緒にいたら、何を言われるか分からない、でも、義母を元気づけたい…と裕美さんの心中は複雑で、どうやったら帰省せずに済むか、毎日考えていたそうです。