帰省を断れる“コロナ免罪符”はもうない…義実家に行きたくない妻たちの生々しい「帰省ブルー」事情
「比較してくる義母」が好きになれない
美幸さん(46歳、仮名)は九州生まれ。実家には母親が1人で暮らしています。コロナ禍の際は帰省できなかったので、落ち着いた今は帰省したいと考えるも、義両親が住むのも同じ県なので、美幸さんが実家に行くのなら、そちらにも顔を出さないわけにはいきません。 しかし、美幸さんは義両親のことを好きになれません。何かにつけて、夫の妹の子どもと美幸さんの子どもを比較して、「義妹の子どもは書道で賞をもらった」「地元で一番優秀な学校に行っている」などと自慢してくるのです。 「子どもが同じ年齢ということもあるのですが、本当にうんざりします。比較なんてしてほしくない。確かに、義妹の子どもは優秀で、中学から私立に通っています。言葉遣いも大人びていて賢そうなんです。うちの子はのんびり屋で、これといった取りえがない。勉強は中の下で、スポーツも苦手ですし。でも、ペットの面倒はよく見るし、友達も多くて人気者なんです。いろいろ言われるたびに胃が痛くなります」 夫方の実家で、わが子がいとこと比べられて、しょげる様子など見たくないもの。親の方は子どもと一緒にその場を離れたくなるでしょう。義両親とのお付き合いに問題がない人たちでも「コロナを理由に帰省しなくてよくなり、ちょっとホッとした」という声を多く聞きました。“コロナ免罪符”がなくなった今、帰省ブルー問題は再び妻たちの頭を悩ませることになります。 とはいえ、義両親の立場になると「久しぶりに全員で食卓を囲みたい」「孫の笑顔を見たい」「息子夫婦がうまくやっているか様子を見たい」などは、ごもっともな親心であるということを察してあげましょう。帰省したときは「愛する夫を産み育ててくれたお二人」と一段上に上げ、お祭り気分に切り替えて、楽しく過ごすすべを使ってください。「お年玉をはずんでもらってラッキー」くらいにちゃっかり構えておくのが疲弊しないコツです。 夫とよく話し合って、納得のいく里帰りをしてください。皆さまの年末年始がほほ笑ましい時間となりますように。
「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美