衆院選に対する“ネットの声”は…新たな試み「ブロードリスニング」 AIの分析でSNSの声を「見える化」
■近い意見を集めて色分けし、わかりやすく
佐藤アナウンサー 「地図に戻りますと、それぞれのタイトルもAIが『声』の傾向を解析して自動的に付けたものです。紫色ですと『選挙活動と有権者の関心』。ピンク色は『選挙区の選択肢と候補者への不満』。緑色は『投票参加の重要性』となっていますが、安野さんこれは?」 安野さん 「(地図の)一つ一つの点が意見になっているんですけど、例えばこの意見を見てみましょう。点に見えますが、実はその裏には『Z世代は政治家に自分たちの意見を反映してもらうために選挙に行くべきだという意見がある』が反映されていて、このようにたくさんの意見を近くのもの、似たような意見をまとめて色分けをしてくれているという形になります」 佐藤アナウンサー 「(点)一つ一つが意見だということなんですが、全体の傾向としては何がわかるんでしょうか?」 安野さん 「色がさまざま見えていますが、真ん中の紫の一番大きいところ、これはいろんな意見が混ざっているんですが、この周辺に特に見るべきものが詰まっていると思います。例えばピンク色のところですと、選挙区の選択肢がいろいろあって、どの候補者にしようかという話題があります。オレンジ色のところは『経済政策と税制改革への関心』。これは政策の中身について議論がされているものです。全体を見ましても政策についてはいろいろ語られているんですが、その中でも特に経済政策が多く語られていることがわかります」
■自分の好みの意見以外も把握しやすくなる
佐藤アナウンサー 「このブロードリスニングを使ってどういうことができると考えているんですか?」 安野さん 「みなさんがSNSで意見を見るときは、『おすすめ』のタブから見ることが多いと思うんですが、これは自分が見そうな意見ばかりが流れてくることがあるんですね。いわゆるフィルターバブルと呼ばれる問題がありまして、自分の好みの意見に偏りがちであると。ですが、このブロードリスニングは好む好まないにかかわらず、どんな議論が盛り上がっているのか、わかりやすく把握できます。こうすると気づかれにくい小さな声も『これいい意見だね』というのを見つけるきっかけになりますし、政治家も新しい初めてのアイデアに気づくチャンスにすることができます。私も都知事選でまさにこういった仕組みを使いながらいろんな意見を見て、こういう意見があるんだなということを参考にしておりました」 佐藤アナウンサー 「ぜひ、こういった意見を一つ一つ見ていただきたいんですが、どういった声があるのかピックアップしました。まず『選挙活動と有権者の関心』では、『今回の衆院選は非常に重要であり、特に子供のいる家庭には投票に行ってもらいたいという意見』、『今年の選挙では鹿対策に力を入れてくれそうな候補者に投票しようと考えている』ですとか、『初めての衆院選で選挙権を行使するために調べているが、自分の知識不足を痛感している』という声もありました。今回初めて一票を投じるという若い有権者も意見の1つを出しているということですね」 安野さん 「初めての投票は、なかなか難しいものだと思います。本当に自分自身でいろんな政党や候補者が言っている意見を見比べながら自分の考えを決めていただければと思いますし、今回のこのような試みも、そういった人たちの情報の助けになればと思い、私たちもやっております」