有名キャリアコーチが解説。仕事を辞めたいと思ったときに自分に問うべき9つの質問
達成感のうずきを感じているか
「達成感のうずき(fulfilment ache)」とは、自分が何者であるかということや、自分が本当に望んでいることと、自分が生きている人生との間の距離が、あまりにも長く大きくなりすぎたときに生じる辛い感情のことです。キャリアにおいて、すべての条件を満たして、すべての「正しい」ことをしたのに、惨めな気分になっている場合は、これが原因かもしれません。 「成功したい」と私たちが言うとき、それは実際には「成功を感じたい」つまり、「達成感を得たい」ということです。目的志向の生き方の欺瞞は、成功と達成感は同じものだという誤った思い込みにあります。
今の仕事に小さな変化を加えられないか?
何かがうまくいかない兆候が最初に現れたからといって、誰もが今すぐに人生を台無しにしたり、仕事を辞めたり、業界を変えたりする必要はないと思います。まず第一に、何が自分を悩ませているのか、そして、そのことに対してどんな小さい改善策がありえるかを自問してください。仕事での一日をより良いものにするにはどうすればよいかについて、自分自身に徹底的に正直になり、そして、それらの変化が物事にどのような変化をもたらすか、あるいはもたらさないかを考えてみましょう。
多くの場合、私たちは「辞めるか残るか」の二択しかないと考え、行き詰まってしまいます。これは実は、答えを見つけるのに役立つかもしれない小さな行動を起こす代わりに、ただ座ってそのことを考えているだけにすぎません。辞めるか残るかを今すぐ決める必要はないと考えれば、自分が何をすべきかにもっと集中できます。それは、別のプロジェクトに参加することについて誰かと話し合うことや、より柔軟な対応を求めることかもしれません。自分の今の仕事をより耐えられるものに、またはより良くするためにできることがどんなに考えても思いつかないのであれば、それはつまり仕事を辞める時だということでしょう。
目の前の道が見えていれば大丈夫
仕事で辛いときは、「知らない悪魔よりも知っている悪魔のほうがまし」だと思考停止してしまう方が楽かもしれません。新しい仕事がもたらすかもしれない幸せは見えないため、現状の不幸と未知の幸せを比較することは難しいのです。仕事を続けるべきか辞めるべきか悩むときに、これが最大の課題の一つとなります。この場合、自分は仕事生活を変えることが可能であり、このプロセスはうまくいくという信念を持つことが大切です。 クライアントには、これは夜間に車を運転しているようなものだと説明します。夜間の運転では目の前のヘッドライトで照らしている道しか見えませんが、目の前の道さえ見えていれば、私たちは最後までたどり着くことができます。