「服がダサい」「ダメ亭主」「役立たず」…妻からの日常的な中傷やマウントに耐え続けた夫がある日突然起こした「大爆発」
コロナ禍以降、生活スタイルの変化に伴って夫婦の時間が増えた結果、熟年離婚が相次いでいる。離婚の原因を紐解いてみると、夫婦関係のほんのささいな不満に根ざしていることも少なくない。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 本連載では、離婚カウンセラーとしてこれまで約4万件もの離婚相談を受けてきた著者の新刊『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』(岡野あつこ著)より一部抜粋・再編集して、夫婦関係におけるトラブル回避のためのノウハウをお届けする。 身近な人間関係に対するコミュニケーション技術は夫婦間の問題のみならず、職場や家庭、子どもや介護にまつわる悩みの解決にも役立つはずだ。 『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』 連載第22回 『ある日突然夫から「離婚したい」と切り出された女性…キッカケはありがちな「余計な一言」だった』より続く
ダメ出しし放題の妻
とある相談者である妻は、どちらかというときつい性格。とくに夫に対しては言いたい放題ダメ出しをするほうで、夫が家事をしない、などの不満を本人にもストレートにぶつけていました。 また、「普段の服がダサい」とか「食事のマナーが悪い」と気に入らない点を指摘しては、「ダメ亭主」と吐き捨てることもあったようです。 こんなこともありました。この夫婦はマンションに住んでいたのですが、マナーの悪い住民がいて、夜にベランダで騒いだり、タバコを吸ったりすることがあったそうです。 妻は夫に「管理会社に相談してほしい」と頼みましたが、夫はそこまでするのも……とズルズルと対応を引き延ばしていたそうです。それで妻はカチンときて、夫に面とむかって「管理会社に行ってもくれない、役立たず」と責め立てたそうです。
マウントを取る妻
妻は夫よりやや年上です。そのせいか、夫に対して無意識に「上から目線」でものを言ってしまうのです。真面目な性格の夫にとって、妻のそうしたマウントは日ごろからかなりストレスだったようです。 結婚前、夫の実家が貧乏で、遠慮した夫は結納という儀式もやらずに入籍しようとしました。そのとき、妻の父親から「しきたりや常識を守らない人間はダメだ、結婚には反対だ」と言われた過去があります。 ただ妻は結局、父の反対を押し切って結婚を決めました。そのため、妻には「私のおかげで結婚できたのよ」という意識がありました。 しかも妻はそうした自分のマウンティングを「不適切」なことだと思ってもいませんでした。そういう妻の独善性がじわじわと夫婦関係を悪化させていることも、離婚を切り出されるまで気づかなかったのです。 夫が不満に思っている点がほかにもありました。 夫の海外赴任が決まり、単身赴任でなく家族全員で海外へ引っ越したときの話です。妻は現地駐在員の奥さま会に参加すべきなのですが、たまたま弟の会社の海外支店があり、パートで手伝いに行っていました。それが現地で問題になってしまいました。